第3話

家に帰ると、真っ先にシャワーを浴びてカジュアルな服に着替えた。





深い緑のニットに白いオーバーオール。あえてハイブランドでなく、気取らない値段のものを選ぶ。





鏡の前に立って見てみると、この服装はやはりあざとい。中性的な顔立ちで、身長も平均よりひとまわり低い俺が着るとなおさらだ。







一体どれくらいのオネーサン方が、この見た目に騙されてきたのだろう……考える気も起こらない。







せめて女の子に間違えられないようにと、体全体にメンズコロンを振りかける。







そして、黒いミニリュックに財布とスマホ、それからポーチを入れて背負った。






この黒いポーチには取り扱い注意の危険物がたくさん詰まっている。






「女を取って喰ったりするようなキャラじゃなさそうだし……」





ポーチの中身を見たら、そう言っていたさっきの先輩はどんな顔をするだろうか。






「いってきます」





そう言うと、今は俺しか住んでいない・・・・・・・・・・・家の鍵を閉め、急いで駅へ向かった。

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