第2話「ハマっているコンビニスイーツ」
今日はお休みなので昼間にコンビニへ向かった。
とあるスイーツを買いに。
最近、ほぼ毎日買っているのでこれもルーティンになりつつある。
私はスイーツを持ってレジカウンターへ向かい、
ホットスナックを補充している竜太へ声を掛ける。
「お疲れ!ねぇねぇ竜太!このプリン食べた?めちゃくちゃ美味しくない?」
言い切った勢いからかカウンターへ置いたプリンがポヨンと揺れた。
そう。私が買いに来たのは新商品のプリン。
これが美味しいのなんのって。
私は焼きプリンのようにしっかりした物より歯の隙間からも吸える程のなめらかプリンが好き。
実際、歯の隙間から吸う。なんと言われようと吸う。
コンビニスイーツが本気出して来たのっていつから始まったんだろ。有難い。
「まだ食べてないよ。それより仙花、肉まん買ってかない?」
「ううん、いらない!でさ私このプリン最近どハマりしてんだよね」
竜太はホットスナックの扉を閉めるとカウンターのプリンを手に取った。
「知ってる、だからこれ多めに発注掛けてんだよ。一点で159円です」
「あ、はい。やっぱり持つべきものはコンビニ店長の幼馴染だねぇ。ありがとうございまぁす!」
「飽きる前に早めに言ってくれよ。前にコーヒーゼリーで一回やらかしてんだから」
そうコーヒーゼリー事件。
新商品のコーヒーゼリーがめちゃくちゃ美味しいのに売り切れで全然買えない!と言ったら発注を多めに掛けてくれた。
お陰でほぼ毎日美味しいコーヒーゼリーを食べられた。
食べて食べて食べて食べて。
ある日突然コーヒーゼリーの虚無が訪れた。
もうコーヒーゼリーは一生見たくないと思ったほど私は全力を尽くしたのだ。
そして「発注掛けた後で飽きたとか言うなよ」と怒られた事があった。
「所でさ、なめらかなプリンは歯の隙間から吸う派?」
「吸わない」
「お願いだから1回やってみて?」
そんな会話をしていると入り口の自動ドアが開いた。
「いらっしゃいませ!」
住宅街の真ん中にあるからか昼間は主婦の方やご年配のお客さんで混む事もある。
「お客さん来たから帰るね」
「うん、あと吸わねーから」
「ううん、吸って?じゃあね!」
私はプリンを手にコンビニを後にした。
1週間後、プリンの虚無が訪れる事になろうとはこの時の私は知る由もない。
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