第9話 婚約してからの日々
「う〜ん」
「なんだ。疲れた顔で」
「あぁ、ナタリア。おはよう。昨日婚約パーティーだったろ?それでまだ疲れが溜まって…」
俺は席に座りながらナタリアと話していた。婚約パーティーの疲れもあるけど…ラターシャと同じベッドで寝たのが悪い!デカいといってももちろん寝息は聞こえるわけだし、ラターシャは魔力も結構使ってたし、やっぱり射殺されるような目でなぜか見られてたし、疲れて一瞬で寝たっぽいけど俺は寝られなかった。女子と寝るなんて小っちゃい頃、母さんの隣で寝たくらいだし…もう耐えきれなかった!!
「で、あの魔物の襲来どういうことだ?ん?」
「あはは…」
完全にバレてる。これ、完全にバレた。まぁ、分かってたことだからもういいんだけど。
「隠蔽魔法で、ラターシャ様が洗脳爆発魔法?あんな連携で詠唱も使ってなかったろ?ソラはまだ分かるが、ラターシャ様いつの間にあんな凄い魔法使いになったんだ?」
「元々魔力が以上なほどに強いんだ。ほら、父さん達の墓にやばい秘密基地があることは知ってるだろ?そこにラターシャと遊びに行ったんだよ。そしたら、父さん達の悪癖が出てね…災害級の2倍のアーティファクト?みたいなやつで作ったらしくってそれをラターシャと遊んでたらラターシャが凄いことになっちゃったんだよね…」
「デートする場所が墓場の地下にある魔法練習場って…しかもそれでラターシャ様があんなになってしまうとは…」
「あ、これ秘密な。父さん達の墓場に行ってそこからウロウロしてるっていうのが真相だから」
まぁ、あながち間違ってはないしいいんだけどね。
「はぁ、お前は全く…」
「なんの話をしてるの?」
「あぁ、昨日の話だよ」
「あ、なるほど。ソラとラターシャ様が魔法で倒した…」
「お前等も俺の隠蔽魔法を見抜けるんだからやばいと思うけどな」
公爵に嫁ぐウラーに王族の女王様の旦那であり、もちろん勉強もでき顔も整っている。プラスで魔法の適性はちょっと規格外だな。
「あ、言うの忘れてた。なんかラターシャ様が来てたわよ?というか明日なんか高校と同時に魔法の適性を確認するっぽいけど…」
「え?俺等も?というかトップ3高校全部?魔法高等学校じゃなくて?」
「うん。まぁ、私達は今魔法の知識を知ったばっかだけど…それより前にソラが私達に魔法の知識全部叩き込んでくれたから良かったんだけど」
そう。魔法が使うには知識がいる。例えば水属性があるものはまず水に魔力を広げその水を他のコップか何かに移動できるようにし、次にイメージと詠唱で水そのものを生み出す。出来るものは多いが、ほとんどの者は心が折れやめてしまう。本当は魔法を取得すればすぐに上達していくんがそこをちゃんと学校で教えないから魔法師団がエースの集まりとか言われているのだ。言ってしまえばハンターのほうが魔法能力が高いかもしれない。ちなみに無詠唱で使えるのは魔法師団のトップクラスだ。ソラは魔法師団のエースが親だったので毎日地獄のような日々を過ごしていたが、ソラはそれが苦ではなかった。有名な魔法師団のエースが親であり、たまに来てくれる者もエース中のエースハンターなど知り合いが尋常じゃないのは環境でもあっただろうが、ソラの強みは精神力もあるだろう。優しいが訓練になると人格が変わったように鬼になる両親+友人達。地獄というのも生温いブートキャンプ。それでも毎日毎日自主練に励んでいたのだ、ソラは。両親が亡くなって悲しんだが、新しい友人に会い、事情を知りながら仲良くしてくれているのは恐らくソラが貴族になって今までいれたのは友人のおかげだろう。だからこそソラは恩返しとして、10歳ながらプロ、いやプロ以上の魔法の知識を教えたのだ。それをとても楽しそうに、たまに真剣な表情をしながら聞いてくれたナタリアとウラーの表情をソラは絶対に忘れないだろう。
「まぁ、これはちょっと王族の婚約者だからこそ知っていることだが…」
「いや、王族だけが知ってることを貴族といえど俺等に話すなよ」
ウラーもコクコク頷いてるわ。そりゃあそうだよね。
「まぁ、話す相手くらいしてくれ言える相手はソラとウ、オークラくらいしかしないだから」
「お前まだウラーの家名なれないよな〜」
「仕方ないわよ。元々名前呼びだったし。王女殿下が嫁入りするとはいえ、元は王族だからね。勘違いで何か起きてしまったら一族の危機よ」
そう。ウラーは元々俺と会う前からナタリアと幼馴染として仲良くしていたらしく、婚約話がでても別に名前呼びを変えずに話していたけど、高校在中に結婚式をすることになったらしく、名前呼びではなく苗字呼びにすることにしたそうだけど…全くいまだになれないらしい。まぁ、それほど仲が良かったってことだろうけど。
「お前等〜席につけ〜」
すると担任の先生が入ってきた。あ、そういやこの先生って元魔法師団の人だっけ?
「今日魔法測定を行う。測定の前に魔法知識を元魔法高等学校生に…と言いたいところだが、それ以上に優秀な生徒がいたのでその人にしてもらう。よろしく」
なんか偉い人か?先生が頭下げるなんて珍しいし。
「!?」
そして出てきた生徒とはラターシャのことだった。
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