第8話 婚約パーティーは大騒ぎ
「えっと…こんなんでいいのか…?」
いや、いつもパーティーに出る日はこんなだし…
そう。今日は婚約パーティーだった。そして、俺は着替えて緊張していた。緊張しない人ってどういう精神してるんだろう?そう思っているとドアをノックされた。
「あ、ラタ…」
ラターシャだった。だが、俺は途中までしか名前を呼べなかった。なぜなら、めっちゃ印象が変わっていたからだ。ピンクで肩がでており、少し胸が見えている。可愛すぎる…
「えっと…ソラ…何か変でしょうか?」
「あ、いや、ごめん。見惚れてた」
「!」
なにこれ恥ずかしい!2人揃って真っ赤になってしまった。
「そ、ソラも似合っていますよ」
「あ、ありがとう」
恥ずかしすぎて言葉が繋がらない。婚約パーティーってこんなに緊張するのか?するとまたノック音がした。
「はひ!どうぞっ!」
ラターシャが噛んだ。顔が真っ赤だ。
「ラターシャ、肩の力抜いていこ。昨日約束したじゃないか」
「そうですね。ちょっと緊張と…照れてしまって…」
またそんなこと言ったら、お互い照れんじゃん
「ゴッホン!ラターシャ様、ソラ様ご準備を」
「「!はい…」」
そうだ。人いるの忘れてた。というか来たのってのカラータ家の執事だよね?なんか
『ちっ!独り者に桃色空間見せやがって!』って思われていそうなんだけど…大丈夫だよね?
あぁ、それより準備だ。ラターシャに肩の力抜こうとか言ったけど…無理だ。力が抜ける気がしない!
そして、パーティー会場に着いた。俺とラターシャはドアの前で待機だ。
『それでは、ソラ様とラターシャ様の登場です!!』
ドアの向こうから声がした瞬間、ドアが開かれた。ちなみに今俺とラターシャは腕を組んでいる。よくある形だが、初めてなので緊張がおさまらない。そして俺たちは拍手の中で迎えられた。だが、ちょっと緊張している様子があった。その目線の先は俺達ではなく、ナタリアとウラーだった。それもそうだ。ナタリアは王族と結婚するのが確定で、公爵の跡継ぎだ。そしてウラーも婚約しており、現在もくらいの高い侯爵なのに結婚すると、公爵夫人になるのだ。緊張するのも無理もないか…そう思うと、俺の友人ってすごいな…
「なんか、ソラのご友人は凄い方ばかりですね…私も緊張してしまいます。」
「大丈夫、オープンな人達だから」
公爵とか侯爵なのに全然感じない人達なんだよな…
そして、レッドカーペットを渡り終え、パーティーが始まった。そして、サプライズの指輪を交換するという時、恐ろしい出来事が起きた。
「魔物の襲来です!量が多くてこちらにも渡ってきています!」
「なんだと!?」
「後、10キロできてしまいます。中には災害級がいるとかいないとか…」
あぁ〜みんな膝まづいてるよ。災害級ってやばいらしいからね。というか倒せてる俺が変なのか?
「とにかく!ここは安全地帯です!ここから逃げないでください!」
まぁ、それが最善だな。
「あの、ソラ…身体強化魔法を駆使して視力を高めて窓から魔物を見たんですけど…多分災害級、ソラのご両親のやつより遥かに小さいです。二分の一くらい…」
「え…ガチ…?」
父さん〜!!何してるんだよ!災害級よりレベル低いとか小さいとか言ってたよね?俺も窓の方で身体強化したけど、本当に小っちゃいな!父さんと母さんの悪いところがでたな…
「ねぇ、これさ、距離さえ分かればここで倒せそうじゃない?」
「ですね…距離は身体強化から考えて8キロ前後といったところでしょうか?」
「じゃあ、魔力探知で数を見極めて…」
「準備出来ました!」
「よし!それじゃあ俺が今から隠蔽魔法を使うからラターシャはそのうちに」
ラターシャは頷くと窓の向こうに向かった。隠蔽魔法のおかげで今ラターシャと俺は話しているように見えているだろう。あ、ラターシャ魔法撃ったな。魔法は隠蔽魔法を加えた。洗脳爆発魔法か。
「お疲れ様」
「隠蔽魔法助かりました」
俺とラターシャはバレないようにハイタッチをした。
「な、なぜか分かりませんが、魔物が全滅したようです…」
『え?』
すいません、やったの主役です。あ、疑いの目がナタリアとウラーにかけられた。一応遠い目でもしとくか…はは…
「今後も周囲の監視を行いますが、恐らく大丈夫かと…」
そう騎士が告げ、サプライズの指輪を交換が始まった。
「ソラ…こんなの用意してたのですか…?」
「うん、カラータ家の人達というかお義母さんとお義父さんが決めたらしいんだけど、デザインは俺が決めたよ」
小声でサプライズの詳細を説明した。
「ありがとうございます…」
『では、指輪の交換をお願いします』
そしてラターシャは左手のをだした。そして俺はその薬指に指輪をいれた。俺も同様ラターシャにはめてもらった。
『これにてソラ様とラターシャ様の婚約パーティーを終了します』
ーーーーーーーーー
「いろいろあったけど…どうにかなってよかったよ」
俺はカラータ家のラターシャの部屋にいた。世間話をするのはほとんど俺の部屋かラターシャの部屋だ。
「本当ですね…疲れちゃいました…」
そして同時に俺たちはベッドに横たわった。2人で笑い合う。最近ラターシャとの関係を疑うことがある。本当に政略結婚だったのか?と。大切にしたい、かけがえのない1人になっているこの気持ちはよく分からないが、政略結婚ということを忘れそうになるのだ。まぁ、別に結婚するから関係ないんだけど。
「じゃあ、寝るか」
「あ…そうですね…」
そして俺は起き上がってドアに向かった瞬間メイドさん(まだ名前覚えられてない)がきた。
「申し訳ありませんソラ様…今日ラターシャ様の部屋で寝てもらいませんか?」
『はぁぁ!?』
どういうこと!?
「実はですね…ベッドが壊れてしまっていて…」
「そうなの?俺は別にベッドじゃなくても大丈夫だけど」
「というわけで今回ラターシャ様と寝てください」
『いやいやいや』
意味分かんないし、というか俺のこと無視したな!
「というわけで、私達は失礼します」
「あ、ちょっ!」
その瞬間ドアが閉じられた。しかもカラータ家は時間になると扉を閉められるのだ。もちろん中から開けられるがまぁ、ほとんどでちゃダメという暗黙の了解みたいなので俺たちはお互いを見て戸惑いを見せた。
「えっと…、私のベッドは広いので…いいですよ」
「あ、うん…ごめんね」
そして俺達は離れて寝た。何時間も寝れなかったが。
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