第2話 趣味
毎日毎日玲子は高木さんのことを考えない日はなかった。
ある日、良太から高木さんは彼女と結婚することになったと教えられた。
予想はしていたが、こんなに早く恋が終わるとは思ってもみなかった。
玲子は何かに夢中になりたかった。
絵はへたくそだ。
手先は器用じゃないから手芸はできない。
今は、コロナ禍だから料理教室もつぶれてしまったところが多い。
男性との出会いは、ジムしかないだろうか。
ジムならば痩せられる。
この機会に自分を磨こう。
玲子は大宮の駅前にあるジムに入会することにした。
しかし、運命とはあらぬところで出会いがある。
高木さんと女性の二人にばったり受付で出会ったのだ。
「玲子ちゃん、偶然だねー。玲子ちゃんもここのジムに通ってたの?こちら、俺の婚約者の美嘉」
「よろしくお願いします。淳がいつもお世話になっています」
「櫻井玲子です。高木さんにはいつもお世話になりっぱなしで。よろしくお願いします」
「じゃあ、俺たち次のボクササイズに出るから急いでるんだ。また明日会社でな」
「はい。明日」
美嘉さんは綺麗な人で背が高くてスタイルが良くて申し分がなかった。
人柄もよさそうだ。
このジムは入会金払ってしまったけれども、早速、今日退会しよう。
玲子はそう決めた。
結局、良太と同じ北浦和にあるジムに通うことにした。
もう、高木さんを諦めなければならない。
良太は喜んで一緒にジムに通ってくれたが、完璧すぎる美嘉さんに圧倒されて、玲子はジムを週3回通った。
本もたくさん読んだ。
市の公民館でやっているマナー教室にも通った。
6月。
青山の教会で高木さんと美嘉さんは結婚式を挙げた。
とてもお似合いの二人だった。
玲子は悔しかったけれども美嘉さんには勝てないと思った。
高木さんは独身ではなく、既婚者になった。
辛い。
もっと自分磨きをしよう。
美術館巡りをするのに、11月の美術検定に向けて美術史の勉強を始めた。
ジムにマナー教室に美術史の勉強。
玲子は遊ぶ暇がなくなった。
良太は飲みに誘うが、その気になれなかった。
高木さんを忘れるために乗り越えてみせる。
今が頑張り時なんだ。
玲子は歯を食いしばって頑張った。
昼も夜も。
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