母
ヤマシタ アキヒロ
母
あなたを思うとき
わたしの心は
子供にもどります
わたしがまだ
雲の上でひとり
さまよっていたとき
遠くの空に
あなたの姿を
見つけました
下界へ降りて
あなたの胸に
居場所を見つけた
あなたは
わたしの頭をなで
その乳を含ませた
わたしがどんなに
むずかろうとも
辛抱づよく
わたしをあやした
長じてのちも
いつも遠くから
わたしを見守った
年老いたあなたを
背負うときでさえ
心はあなたに
ついて行きます
いつまでたっても
あなたに追いつけない
ああ今なぜ
涙が出るのでしょう
ああ今なぜ
胸はふるえるのでしょう
老いさらばえた
母なる人よ
あなたを思うとき
わたしの心は
神のみむねに抱かれる
天使のように
安らかです
(了)
母 ヤマシタ アキヒロ @09063499480
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます