いきなりからの…

 カナヨは、しばしの睡眠後いきなり

「会話かみ合わないゲーム!」

 と、いきなりゲームを開催させた。

 

「なんだよ…いきなりだな」

「あ、昨日の靴下界隈の人」

「どんなやつだよ…」

「あー、負けー」

 

 …

 

 ついうっかり負けてしまった。

 

 超高速負けだった。

 

「くやしいからもう一回やらせて。」

「よき」

 

「じゃあ、はじめるね。春ってもうすぐそこまできてるっぽいよ」

「あー、お腹いっぱいのパンパーン。」

「白い車って白いよね」

「夜ご飯食べていいよ」

 

 …

 

「明日は、デートかー」

「は?だれと⁉︎」

「やーい、引っかかったー」

「く、くやしい…おかわりください‼︎」

 

 …おかわりって、リベンジのことかな?きっとそうに違いない。

 

 

「あぁ、いいでしょうとも」

「よし、次こそは負けない。わたしグリーン好きー」

「そろそろ自転車の空気入れなきゃだ。」

「一番テーブル入りまーす」

「春に降る雪」

「幼馴染って、目があったらキスしないといけないらしい」

「んなわけ…」

「あ、はーい‼︎遼也負け〜」

「くそ…」

 

 ってか、そんな幼馴染ルール最高じゃんか‼︎

 

 これは、いいことを思いついた!

 カナヨがひっかかるかもしれないぞ。

 

「あ、そういえばさ…幼馴染伝説ってガチであるらしいよ」

「えっ?どんなの?」

 

 あっさりくいつくカナヨ。

 

 

「たとえばなんだけど、幼馴染って好きになったら、すぐ告白しないといけないんだってさ。」

「え、なんでよ…」

「なんかさ、ずっと一緒だからってあぐらかいてると、いつのまにかいなくなってて、めっちゃ後悔するんだってさ。」

「あー…」

 

「あとは、お互いきょうだいみたいな存在になりがちだから、キスとかなかなかできないんだって。」

 

「…きょ、きょうだいか。たしかにわからなくは、ない。」

「んー。オレたちは、どうだろう?」

「えっ?な、なに?どうだろうって…どうよ?どういうことよ…」

「カナヨって、オレとキスできる?」

 

「えっと…そ、それは……できない…わけもなくなくない?」

「え?なんて?」

「遼也は、ど、どうなのよ?わたしと…その…キ、キスとかって…」

「うーん、どうだろう。その状況にならないとなんとも言えないよねー」

「じゃ、じゃあさ、そういう状況にしてみてよ」

 

 

 ⁉︎

 

 こ、これはなんともスムーズな展開じゃありませんか‼︎

 

 このままうまくいけば、カナヨとのキスが現実化しつつあります‼︎

 

 

「え、じゃあ…いいの?」

「…それは、状況次第でしょ?」

「たしかにそうか。」

 

 オレは、カナヨの目の前に座った。

 

 

 そして、カナヨの肩に手をのせた。

 

 こ、これって…ガチでしちゃうやつ?

 

 

 さっきまで、まさかこんな時間が訪れるなんて想像もしてなかったぞい。

 

 こんな、こんなチャンスがいきなりやってくるなんて…最高やん。

 

 

「カナヨ、準備はいい?」

「え…準備…準備とか言われたら…そんな…いきなり心の準備とか…待ち合わせてないよ。えと…」

「じゃあ、これから準備して?準備できたら、教えて。オレ、待ってるから。」

「あ、うん。準備完了…です。」

 

 はやっ‼︎

 

 カナヨをみると、ほんとに準備完了していた。

 

 

 どんなって…もうさ、目をつぶっているんです。

 

 

 いきなりやってきたキス…。

 

 まぁ、オレから言い出したわけなんだけどさ、めっちゃドキドキドギマギなんですよ。

 

 

 で、ジリジリとカナヨに近づいて…あと少しで…くちびるが‼︎ってときにピンポーンと、玄関チャイムがなりましたね…。

 

 

 続く。

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