第5話 親衛隊の別の顔
「月華………可愛、あ〜どうしてそんな格好を……?」
正直な私の反応に月華の眉がピクリと動くのを見逃さなかった。慌てて質問を変えてみるけど彼の機嫌は変わらない。
「隊長からの命令です、幸いまだ桜花さまの詳細については、確かな情報は流れていません。そして俺と桜花さまなら身長、体重、髪の色、長さなど瞳の色以外はほとんど変わりません」
それが災いと舌打ちしかねない声で言いながら、月華は普段彼が身にまとっている桜の紋章入りのシャツ、漆黒のジャケット、色の抜けたジーンズを渡しながら。
「俺と桜花さまは入れ替わりましょう、貴女を誘拐しようと企む輩を上手くおびき出して、逆に捕らえるのです」
目が本気だった。もし上手くおびき出せたら八つ裂きにしかねないような表情。
月華の言葉に頷きながら、私は着替えを完了させた。
彼になりきるため、普段は下ろしてある髪を後ろで1つに束ねる。
すると、普段の彼とほとんど変わらなかった。
彼の方は反対に、長い髪を下ろしている。
「本当に私と変わらないわ」
私の感想に月華は、嘆息して頭をかいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます