3. 大前提

 幸不幸は、社会の巨視的な呪いのようなもので、この社会に属している以上は何人たりとも免れない。まるで冷たいものと温かいものとの混合の中に対流現象が起きるがごとく、幸不幸の偏在はいつも均衡へと向かい、絶妙に保たれる。


 社会を巨視的に観測する限り、生者の栄枯盛衰は確定事項なのである。


 もちろん、自身が生者であることを忘れている者や、生者であることを放棄する者、事実上の生きる屍となっている者には、栄枯盛衰は訪れない。


 何を隠そう、幸福追求のためには、我々は生者でなければならない。


 人よ、死ぬな。

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正負零的幸福論 加賀倉 創作【FÅ¢(¡<i)TΛ§】 @sousakukagakura

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