第3話(12)
剣を振り下ろそうとした瞬間、ミーナの叫び声によって剣の動きが止まる。
「邪魔するな、女。こいつは悪魔、殺さなければこっちが殺される。」
「分かってる…分かってるわよ、そんなこと!分かってる…。でも…その悪魔…シェスカは私の友達。どんな姿になっても…友達…友達だから!だから…シェスカを…助け…」
ミーナは涙を流しながらのため呼吸が下手になり、そうながらも友達を守るために必死で阻止しようと声を振り絞った。
しかし、グレンは表情を一切変えずに
「昨日の夜言ったはずだ。昨日の事、友達の事は忘れた方がいいと。それにこいつら悪魔は人間の心臓を食うことで新たな悪魔を生み出す。このシェスカも悪魔に身体を乗っ取られただけだ。残念だがこいつは殺す。」
そして剣を振り下ろし、シェスカからは悪魔特有の黒い血しぶきが飛び散った。
それを見てミーナは狂ったように発狂し、その場に崩れ落ちた。
グレンは大剣をポケットのような空間にしまい込みミーナに近づくとしゃがんで彼女の頭をさすりながら彼女の目を見て言った。
「悪魔は残酷だ。人間の心臓を奪って殺し、殺した死体に新たな悪魔を誕生させて他の人間の心臓を奪うという負の連鎖を繰り返す生物だ。…まずはこの学校を殺された死体ごと燃やさなければならない。出るぞ。」
グレンはミーナの頭をさすりながら転移魔法で外に移動した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます