第3話(11)
容赦なく殴り続けるシェスカ。
通常、悪魔に1発でも殴られた人間は全身の骨が粉砕し再起不能の状態になるほど筋力が特化している。
グレンはその何倍も殴られた。
普通の人間ならまず生きることはできない。
ひとしきり殴ったシェスカは悪魔の姿から人間の姿に戻り、理性の失ってた声は落ち着きを取り戻した。
「まあ、こんだけ殴ったら普通死ぬわね。…さて、そろそろ食べさせてもらうわよ?ミーナ?」
ジュルリとヨダレの音を立て、爪を伸ばしてミーナに近づく。
ミーナは恐怖で怯え立ち上がることができず腰をつけたまま後ずさりしていく。
「あーらあら。人間って本当に愚かね。さっさと殺されたら楽になれるのにね。こいつみたいにさっさと楽になれば…」
シェスカが後ろにいたグレンを指差そうとした時、その指は急に捕まれそのまま関節の曲がらない方向にねじ曲げられた。
「ガァァァァ!!っ…なんで倒れてないの!?普通の人間なら死んでるはず…」
「普通の人間なら…だろ?」
シェスカの指をねじ曲げたのはまるでさっきのダメージを受けてないかのように涼しい顔をしたグレン。
ねじ曲げて取ったシェスカの指を黒炎を発生させてチリにした。
「なぜダメージを受けてないんだ…そんな顔してるな、クソ悪魔。」
「反(リバース)魔法ー、相手から受けた物理攻撃を吸収し自分の力に変換する。そして…」
拳を強く握りしめ、足を一歩前に出すとシェスカは反射的に一歩後ろに下がった。
「俺はお前と全力で戦ってない。」
そう言ってグレンは魔法を纏っていない右拳をシェスカの腹にぶち込んだ。
反魔法によってダメージを吸収したことによって魔法を纏ってないのにも関わらず拳から衝撃が発生しシェスカの腹はえぐれ内臓が飛び散る。
あまりの痛みににシェスカは意図せずに悪魔に変異してもがき苦しんだ。
「がっ…ガァァァァァァア!!!ああ…ァあ…」
悪魔か人間かどちらかわからない状態でもがき苦しむシェスカ。
そんなシェスカをグレンは一旦その辺に置いていた大剣を再び持って剣先でシェスカを指した。
「お前に人間として生きる道はない。とっとと死にやがれ」
剣を振り上げてシェスカの息の根を止めようとするグレン。
「やめてーー!!!」
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