第3話⑽
シェスカは黒炎によってチリとなったイルミを見ても表情を変えることはなく、寧ろ口角を吊り上げて不敵に笑った。
そして身体を化け物に変異し視線をグレンに向けて言った。
「あなた何か勘違いしてない?確かにあなたは強いわ、人間にしてはね。けどあなたは私には勝てない。そう、そんな悪魔の力を借りた程度じゃワタシニハ…カナワ…ナイ!…グルルルッ!」
シェスカは言葉を発するに連れて理性を保てずに獣のような唸り声を出していき、グレンを獲物と認識したかのように睨んだ。
そして一気に襲いかかり、右手の爪を上から思い切りグレンに振り下ろした。
グレンは空間移動の魔法で一瞬でその場からいなくなると一瞬でシェスカの背後に現れて横に斬る構えをとった。
しかし、シェスカはそれに気づいてたらしくすぐに判断して爪で大剣を防いだ。
そして剣ごとグレンを後方に押し飛ばした。
「オナジ…マホウ…キカナイ。グルルルッ…」
飛ばされたグレンは廊下の一番端の壁に背中から直撃し、血を吐いて片膝をついた。
「ガッ…ぐ…っぺっ!…」
「マ…ダ…マ…ダ…」
グレンが立ち上がろうとした直後、目の前には爪を引っ込めた状態で接近してきたシェスカは手を拳に変え、グレンを殴りまくった。
グレンは避けることができず只々その攻撃を受けていた。
…いや、この時は受けているように見えた。
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