第3話⑺

「あ、あなたは昨日の…」


「…こんな時間に活動する悪魔がいるとは…」


あの時は夜だったため顔がよく分からなかったが今はローブについてるフードを被っていて顔が見えなかった。


するとさっきまで胸を刺されてもがいてたエミーは次第に胸の傷が再生して立ち上がり、ローブの男を睨みつけた。


「殺してやる!殺して…コロシテ…ヤル!」


するとエミーの身体はさっきよりも化け物みたいな姿に変わっていった。


その姿は例えるなら悪魔というより二本足で立っている狼のようだった。


そしてエミーは一瞬で男に迫り、爪を連続で繰り出した。


しかし、ローブの男はその攻撃を息一つ切らすことなく全て大剣で防いだ。


「エグッテヤル!…エグル…エグル!!」


エミーが激しく攻撃してもローブの男にダメージを与えることはできず、これ以上やってもラチがあかないローブの男はエミーを大剣で吹き飛ばした。


吹き飛ばしたその隙に左手で空間に穴を空けて、ローブの男はその穴をくぐり抜けその場から消えた。


「…ドコダ…ドコイッタ…。出テ来イ!…エグッテヤr…ガハァ!」


突然エミーの背後から現れたローブの男は隙だらけのエミーの背後を大剣で縦に切りつけ、エミーは血を吐きながらその場に倒れてしまった。


「エミーーー!!!」


悪魔の姿になっても友達だったエミーを2度も殺される所をミーナは涙をボロボロ流しながらそれを見るしか出来なかった。


「頭の悪い悪魔はやり易い。…次はどっちだ…かかってこい。」


「てめぇ!エミーをよくもっ!」


「やめな、イルミ。仲間を殺されて悲しむなど愚かな人間のやることだ。」


今度はイルミが姿を変えようとしていたが、シェスカはそれを止める。


そしてシェスカはローブの男に質問した。


「貴様は何者だ?その魔力からして人間ではないのは確かだが悪魔でもないな。」


するとローブの男は大剣を下ろすと被っていたフードを脱ぎながら答える。


「…お前らのように人を喰らう存在がいれば、その悪魔を喰らう存在もいる。」


「悪魔を…喰らう存在?」


フードを脱ぐと男の髪と瞳は炎のように真っ赤に染まっていた。


「俺は貴様ら悪魔を食い殺すために自ら悪魔と取引し、力を手に入れた。名はない。だが周りは俺をこう呼ぶ。」






「紅の悪魔祓い、グレン。」


そう言うとグレンと名乗った男は着ていたローブを脱ぎ捨て、大剣を構えた。

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