第3話⑹
「…シェスカ……」
「どこ行くのミーナ?」
シェスカは腕を後ろに組んだまま笑顔でこっちに近づいてくる。
まるで腕を隠しているようだった。
「どうしたの、ミーナ?なんでそんなに汗かいてるの?」
「…あなた、誰?」
「え、シェスカよ?急にどうしたの?」
「違う!あなた…いや、他の二人も…あなた達一体、何者なの?」
「……」
「答えて!本物のシェスカは…エミーやイルミはどこ行ったの!?ねぇ!」
ミーナの問に答えようとしないシェスカ。
するとシェスカの後ろから声が聞こえた。
「あー、おいしかった…ジュルッ…」
「お腹もだいぶ落ち着いたって感じ♪」
「エミー!イルミ!…その手はもしかして…」
後ろから現れたエミーとイルミの手は人の血で真っ赤になっていて、エミーは血の付いた手をおいしそうに舐めていた。
「あれ、あんなところに餌(人間)が残ってるー!」
「ほんとだ!シェスカ、食べてもいいよね?」
するとさっきまで黙っていたシェスカはニヤリと笑い、そして。
「…あぁ、いいでしょう…。血の一滴残さずにね。」
「シェスカ…エミー…イルミ…。やっぱりあなた達…」
「悪いわね、ミーナ。私たちはもう人ではないの。だから正直あなたの事なんてどうでもいいから…死んで?」
「うっ…うっ…」
ミーナは絶望のあまりその場に立ち崩れてしまった。
まさか自分の友達が悪魔になってしかも学校の人たちを殺しているのだから。
(悪魔は…死んだ人間にまで絶望を与えるの?…シェスカ達がそんな事思うわけない。)
「あははは!安心して!私が食べてあげるからぁ~!!」
エミーが最後に言うとエミーの体が昨日の化け物のような姿に変わりミーナを襲った。
グシャァァ!!
「!?ガァァぁぁああ!!」
「…あれ?私死んで…」
襲われたミーナは無傷で代わりに襲ってきた悪魔のエミーが胸を大剣で刺されていた。
「…何者だ、貴様!」
そこには昨日ミーナを助けた黒いローブの男が大剣を持って立っていた。
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