第3話⑻

「紅の…悪魔祓い…なるほど、通りでエミーを一瞬で殺せたのか。しかし悪魔祓いが本当にいるとはな。」



(しかし、悪魔祓いの奴がなぜここに?それになぜ他の生徒は助けずにミーナだけを助けるんだ?)


シェスカが考えているとグレンは大剣を構えて迫ってきた。


それをイルミが爪で防御し大剣を止めた。


「いきなりシェスカはないでしょ?悪魔祓い…さん!!」


イルミは最後の語尾だけ強く言い、大剣をはじいた。


「あははは!エミーを殺したからって調子乗らないでね!今からあなたを綺麗に串刺しにしてやるから!」


するとイルミの両手の爪はゴムのように伸び縮みし、伸びた爪でグレンを襲う。


グレンはローブを脱いだのか動きが早くなり、余裕の表情で大剣を使って防ぐ。


「余裕ぶってんのも今の内よ!ほらっ!」


イルミが言うと一本の爪が大剣を滑るようにかわし、そのままグレンの腕をかすった。


他の爪も同様、次第に大剣を滑るようにかわしてかすり出す。


「ほらほらぁ~!どんどん当たってきてるわよぉ?疲れちゃったの?」


グレンはまるで軟体動物の触手みたいにグニャグニャする爪に苦戦していた。


グレンは左横に空間の穴を空けて再びイルミの背後を狙おうとした。


だが、動きを読まれていたのかイルミは伸びた爪を引っ張ってきて防ぐ。


「残ねぇ~ん!さっきの見て思ったんだけどあんた相手の背後狙うの好きだねぇ?」


イルミは伸び縮みを利用して横に爪を振りきった。


グレンはとっさに空間移動したが右腕だけ少し切り傷が入り、そこから血が流れていた。


「あらら~、痛そうね。てかさ、いい加減本気出したら?」


「…」


「とぼけないで。悪魔と取引きしたのにそんな弱いわけないでしょ?それとも本気の出し方を知らないの?」


イルミが言うとグレンは一回ため息をつき、そして。


「…いいだろう。少しだけ本気を出す。だが、これだけは言っておく…」


そしてグレンの立ってるところから黒い魔法陣が現れるとそこから黒い炎が発生し、その炎はグレンの身体を纏う。


「…どうなっても知らないからな…。」

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