第2話 湖桃先輩

――――S高等学校 放課後


やばい!大西先生と話してたら、遅くなちゃったよ。

大西先生は担任で美術の先生なんだよね。

なんか人生についてみたいな雑談してくれるから、

ついつい話し込んじゃった。


今日から本格的に応援団の練習するって言われてたのに...

やよいは、もう行ったかな。

私も早く行かなきゃ。

浅倉先輩に嫌味言われる。


――――3年10組


やばっ!応援団の人、もう、練習に行っちゃったんだ。

ん?大きな板。

ああ、看板の板か。ふすま4枚分はあるな。


「あれ。愛里ちゃん?」

「あっ、梶先輩♡」

「大地達、小松公園に秘密の練習しに行ったよ。」

「はははは^^;;;まずいよね。大遅刻だ。」

梶先輩と話していると後ろから怒鳴り声が聞こえた。

「だから、ちゃんと手本の絵見ながら描いてくれよな!」

看板描いてる女の人が怒られてた。

「こんな大きい板に、この小さな絵そのまま描けって無茶ですよ。」

私は思わず口を出してしまった^^;;;

「なんだよ!おまえ、1年生だろ!偉そうに!」

え~~~い!ままよ!

「こういうのは、マスを書いて描いていくもんですよ。」

「元の絵に、そうですね10等分くらいに分けてマスを書いて、看板の板にも10等分のマス書いて、そして、マスごとに描いていくんです。」

「それに、女の子に描かせて怒鳴るなんて最低です。」

怒りだしたら、止まんなくなっちゃったよ。まずい。

「なんだと!えらそうに!」

「おまえら、それくらいにしとけよ。」

梶先輩が助け舟を出してくれた。


「ありがとう。」

女の人がお礼を言ってきた。


あっーーーーーーーーーーーー!


梶先輩の彼女だ!

「愛里ちゃん、紹介するよ。彼女は池田湖桃(いけだこもも)。」

「その...僕の彼女なんだ。」

「守ってくれてありがとう。」

優しい瞳で彼女を心配しながら、私にお礼を言ってくれた。

「こういっちゃなんですけど、看板係むいてないんじゃないですか?」

私は、ちょっときついことを言ってしまった。

「ああ...こいつ、要領悪いから押し付けられたんだよ。」

「それより、愛里ちゃん応援団の練習行かなくっていいのかい?」

「やばい!いってきまーす!」


梶先輩の彼女...守ってあげたくなる感じの人だったな。

池田湖桃先輩か


梶先輩、湖桃先輩の事心配で教室に残ってたのかな...

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