愛里の恋2

夢僮亜樹

第1話 スポーツの秋

夏休みも終わって、秋の気配がしてきた。

秋といえば、スポーツの秋!

そう、体育祭の季節。

私の通うS高等学校でも、体育祭が催される♡


私は1年5組の平松愛里(ひらまつあいり)。


――――S高等学校


――――1年5組の教室


「今年も体育祭の季節になりました。」

「我が1年5組は、3年10組と2年7組とで紫チームになりました。」


3年10組?♡

梶(かじ)先輩のクラスだ♡


なにを隠そう、私は入学式のときに梶先輩に一目惚れしたんだ。

でも、梶先輩には彼女がいて失恋したんだけど...

今は、いい先輩と後輩の関係で、満足しているんだ。

一緒に体育祭♡


「取り急ぎ、応援団員と看板係を決めて欲しいって言われているんですが、

誰か、立候補いますか?」


・・・・応援団、梶先輩、しそうにないな。

看板係ならしそうな雰囲気もあるな...


「はーい。愛里と応援団しまーす。」

えっ!?

私が悩んでいると、友達のやよいが勝手に立候補しちゃったよぉ(泣)

ヒソヒソ声でやよいが、お願いしてきた。

「応援団、絶対、高橋先輩がすると思うんだ。だから、お願い。」


高橋先輩は、梶先輩の親友で、私が失恋した時、お世話になった先輩だ。

確かに、スポーツ万能で、お山のがき大将だから、絶対、応援団するな。


「平松さん、応援団いいですか?」

「あっ、はい。」


あ~あ、応援団することになっちゃったよ。

そう言えば、やよい、高橋先輩の事、好きだったもんな。

しょうがない、協力するか。


「それでは、早速ですが、応援団員と看板係の人は3年10組に教室に行ってください。」


ーーーー3年10組の教室


「愛里ちゃん、ようこそ。」

梶先輩が声をかけてくれた。

「梶先輩♡応援団ですか?」

「いや、僕はフリーだよ。」

「愛里ちゃんは応援団?大地が団長だよ。」

私に気付いた高橋大地(たかはしだいち)先輩がこっちに来た。

「平松、応援団なのか?w」

「こんなかわいいチアガールがきて、嬉しいでしょw」

「いや、俺らの応援団は、みんな学ランだぞw」

「えっーーーーーーー?」

私と高橋先輩が話してると、やよいが私の服をひっぱてきた。

「愛里...」

「あっ、高橋先輩、友達のやよいです。いじめないでねw」

「よろしく。やよいちゃん」

あっーーーー、私のことは平松呼びで、やよいのことはやよいちゃん呼びなんだ。

ちょっと、ジェラシー。


梶先輩や高橋先輩と仲良く話してる様子を、3年生の女子は快く思ってないふうに...

「あなた達、しゃべってないで、こっちきて、朝倉(あさくら)先輩の話聞きなさい。」


「朝倉の奴、おこりっぽいから、気をつけてね。」

こっそりと、高橋先輩が教えてくれた。

朝倉先輩は応援団の女子のリーダーらしく、一目で高橋先輩に気があるのがわかった。


なんか、前途多難な気配がしてきた...




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