第14話「ブラミングとメタファイト」

論理的打開策

これに関しては佐山の独壇場である

まさに独善的

強いれば江坂の介入する余地は

事件の中でしかない

つまり、これこそが最大にして最悪の

インスタントロジック


真実を答弁すれば

その時点で事件は終了する

氷山をあぶりだすのもまた大変である

だとすれば、捕まえる、ではなく、

泳がす、これが次なる一手となるだろう


ただ生きさせる

これだけの感慨に

終始、テロニズムは成り立つ


まだ時間はある

佐山の言う、海面上昇テロは

言わば総統に対しての

義的決議

国民への理解と汎用である


つまりこれこそが彼の仕込んだロジック

佐山は天才ではあるが

その方法があまりに道徳的とは言えない

つまりこれこそ最大の不意打ち

または闇討ちである



では強いては世界恐慌になるが

その欠陥こそが

現世界における、アーチャニズム

もとい、アーカディンニズムでもある


もとい佐山は話せるタイプの悪であり

その実技を超えては

相手はしやすい


つまりは言いくるめる

もとい支柱に落とすことを

私、兼、検察はやるほかない


しかして罪である以上

言い逃れを求めるもの

はたまた熾烈な見識を求めるものが居る

しかし彼の場合、どちらにも属さない


つまり英雄思考の悪戯を持っているのだ

より抽象的には義賊、またはダークヒーローである

彼の要求自体は、世界平和であり、団結であり

物質関係から因果的所以までの、サルベージであり


もとい悟られるほど

甘い感慨ではない

つまり先に述べたように

これはインスタントロジック


想起される初歩的な

心意誘発である


ただこれこそが最大にして最強の

クランピングヒステリー

つまりは、論理的帰結を辞さない

最大のパラドックス

正義のパラドックスである


まったく彼はつくづく天才でであり

その異才を閉じ込めるには

満を持して理を変革する

または再認識する必要がある

これこそ、佐山のなしたい、人類報復

もとい、盤上を整理する、

アセスメントセオリー


二人場檻である、リコーディングである。


まったくどうなってるんだ

これでは、罪をとがめた時点で

新たな社会常識が出来る


この点についてはご理解願えたろう

つまりは江坂による

最初の捜査かく乱、またはブラミングが

彼、佐山が成したいことだった


その中で真実に到達する

その悪に対する理解を

彼は求めている

つまりこの事件は単に

鬱憤を晴らすための、私情ではない


世界に対するリターンセオリー

または、人間観における、イーブンタイト


これこそが、狙いであろう。


ではでは

話も詰まる所で、

お開きだ。


どうにもこうにも世界は悪で満ちている

それを彼は言いたいようだ。

その救いにこそ、理想はあり


その、ほうじょこそ、

最大の起因されるもつれではないか

その世界に冥福を

この世界にご冥福を


そした明日には沈む太陽に

冥福を


まったく彼は天才だ。

では、失敬。

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