第11話「悪の秩序意識は永遠の箱」

そもそも外因を要約するだけでは

不出来である

ましてや犯人は事の顛末を

死に勝る罪で贖おうとする

これはいささか不敬の至りだ

この外因を取りまとめる

言わば社会は、ことの顛末を

大大に講ずるのは、ただまた、難である


つまり、結果的に事件として終わらせる

これには利益的絡み、または社会的モラルによって

愚形される


これが真骨頂であるなら、

社会体制そのものに穴があるわけであり

この体制こそ佐山は壊したいのであろう

つまりは俗に言われる、社会報復である


これの事のあらましとして取り仕切り

再度、犯人視できるのは一体誰であろう


もし社会に対する不満こそが

悪影響を与え続けるなら

これは倫理的な規範、

つまりリコンディション

その節に当たるのではないか


死が悪く写ろうと

殺人より崇高な、世直しではなかろうか


この意を佐山は言っている

つまり世界の滅亡こそ

建前であり、自責の念


本当は、気づいて欲しいという

簡単な発想ではなかろうか


誰もが注意することで

再発を抑制する

これこそが彼の狙いではなかろうか


もし当事者になった場合であっても

それほど罪意識に対する、オブザーバー

つまり身位的抑圧が優ったと

そう、こじつけ、事件視されても

それこそ社会が産んだ化け物だと


一尾に封をできるのではないか


これが私の考えである

つまり佐山を止めれば

社会はまた同じ過ちに怯える

だからこそ佐山を救うことで

再発をさせないという

そういった綺麗なエンディングがあっても良いのではないか


事件を事件にするだけが

仕事ではない、最良ではない

それに気づくべきは、我ら検察ではないか


それを今宵も肴に正義だけを歌うのは

もつれた甘みではないか


この弛んだ社会の元凶ではないか


それを私は訴える


佐山を捕まえないその意に

脳をめぐる

これこそ一種の検察の仕事ではないか


もし殺人犯がいても、

再発させないための

簡単な妙案があれば

それこそ実際問題

社会が抱えるべき

新たな悪への秩序意識ではないか


それを述べたい

強く述べたい


故にまた畏怖の念を込めて強く念識を込めて発する


佐山を捕まえても事件は終わらない

これが最大の答弁である


事件を探す暇があるのなら、

国民に銃を持たせることを考えさせればいい

その意識こそ

国際的な反比

実的な恐怖のセンセーション


劣位こそ悪を持って成す

これこそが最大の意ではなかろうか


銃を握らせれば、殺人は容易だと

思い始める

そうすれば、より国民も考え始めるのではないか

それこそ検察を超えて、

国民単位で策を弄する最大の引率になるのではないか


それともこのまま

高性能爆薬、プルトニウムを使うほどの

有機転換路で事件を起こすかは

いささか、また、人の性である


だから問おう

皆に爆弾を持たせればどうなる

佐山はこれを言っている

そう断言できる


だから私はなんとしても佐山にあう

そして事件を紐解く


さてご愛嬌


まだ死が怖いか

それとも生きてる事が罪なのか


なんてことでここまでだ

またの気に

世界を答弁する


佐山、答えてくれよ

お前の狙いの先に死ではなく理想があったということを

教えてくれ


その悪を成してまでの理想に私は聞き入ってみたい

それでは、自己報告終了


出発だ。

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