動物と植物はどう違うか

動物と植物はどう違うか

についての考察

　Q「仮説」に対し

　A「反証」を試みた。

動物に比べて植物は

　Q.　動かない。その場で一生を過ごす。

　A.　植物も多少は動く。枝葉を伸ばし、蔓（つる）を伸ばし、根っこも伸ばして占有域を広げる。タンポポなどは、タネを飛ばして繁栄を試みる。

動物に比べて植物は

　Q.　感情がない。折られても痛くない。

　A.　愛情をかければ、植物もよく育つ。痛くないかどうかは、聞いてみないと分からない。白い血を流して痛がっているものもある。

動物に比べて植物は

　Q.　言葉をしゃべらない。耳も聞こえない。

　A.　音声によらない通信手段があるかもしれない。超音波とか。匂いとか。うなずき合っている姿もよく見かける。

動物に比べて植物は

　Q.　食物連鎖の最下位に位置する。

　A.　たとえばライオンが死ねば、その肉をバクテリアが分解し、植物のエサになる。見方によっては、植物こそ食物連鎖の最上位者とも言える。

動物に比べて植物は

　Q.　追ったり追われたりしない。

　A.　たとえば花の蜜をめぐって、蝶やハチの争いの対象となり得る。またその匂いや美しさは、古来、人間の心をも魅了しつづける。

動物に比べて植物は

　Q.　文句を言わないので、好きなだけ伐採してよい。

　A.　大人しいという理由で蔑（ないがし）ろにするのは、イジメの論理である。だれがこの地球に酸素と憩いの場を与えているだろうか。

動物に比べて植物は

　Q.　心がない。親子の情など存在しない。

　A.　花の心は花のみぞ知る、である。親子どころか、森羅万象に対して分け隔てのない恵みを与えている。

　　　　　　　　　　※

以上、各方面から考察するも、私はその有意な差異を認めるに至らなかった。

　FA.　動物も植物も同じ大切な命である。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（了）