第16話

「隼人はまだ来てないのか?」


練習が始まって1時間が経過したころ。隼人とミーティングをすると言っていた広田監督がグラウンドにやってきて、全体を見渡して首を傾げた。


「見てないので、まだだと思います」

「遅くないか?もう30分前にはミーティング終わってるんだが……」

「え……」


気になって室内練習場やランニングコースを探しに行ってみたけど、どこにもいなかった。部室に行き、隼人のロッカーを開けると。


「……ない」


制服やバッグはなく、部室にきた形跡はやっぱりない。

念のためスマホもチェックしてみるけど。


「来てないか」


連絡も入ってない。そのときちょうど凌空が部室にやって来たので聞いてみる。


「あ、凌空。……あの、隼人見てない……?」

「……しらねえよ」


……だよ……ね。

隼人の名前を出したことが気に食わなかったのか、派手に音をたててロッカーを開け閉めすると、タオルを手にそのまま部室を出て行った。


あの時隼人を庇ったあたしにも、凌空は同様の態度を取ってるんだ。


ちゃんと話しをしなきゃなって思ってるんだけど……。


それよりも今は。


「ほんと、どこに行っちゃったんだろう……」


隼人が部活をサボるわけないし。と、グラウンドの端に目をやって。


あれ……?今日も部活を見学に来ていた花音ちゃんの姿が消えていることに気づいた。

花音ちゃんと隼人がいない。

関連性なんてどこにもないのに、それがあたしの胸をざわつかせて。

あたしの足は自然と校舎へ向かっていた。


ガランとした廊下を通り、教室に入ると。


「……っ」


花音ちゃんがひとり席に座り、窓の外をぼーっと眺めていた。そこは隼人の席で。トクン……と、焦りにも似た鼓動があたしの胸を打ちつけた。

気配を感じ取ったのか、花音ちゃんが首をこっちに振る。


「あ……」


思わず声を漏らしたのは、その顔に幾筋もの涙のあとがあったから。躊躇いながらも声を掛ける。


「あの……隼人、見なかった……?」

「うん。さっきまでここにいたけど」


……やっぱり。

当然のように答えられて、ウッと喉の奥に言葉が飲みこまれそうになる。


なにしてたの?そう聞きたいのを抑えて。


「えっと……まだ練習に来てないんだけど……なにか……知ってる?」


あえて冷静さを残して聞くと、花音ちゃんはフッと笑った。


「結良ちゃんに矢澤くんのこと聞かれるなんて、なんか不思議な感じ」


勝ち誇ったように口角をあげ、立て続けに


「なにしてたか知りたい?」


なにって……。知りたいし、今隼人がどこにいるのか知ってるなら教えてほしい。会話が核心に迫ろうとしたその刹那。微かに足音が聞こえた。


……?もう誰もいない校舎で、だんだんと近づいて来る足音に意識が行くのはあたしだけじゃなかったらしく。花音ちゃんも音の方に顔を向ける。


コツ…コツ……。急いでいるわけでもないけど、力強く廊下を蹴るその音からは、感情が高ぶっているのが伝わってくる。……隼人なの?

ふたりしてドアの方を見ていると、やがて足音の主が姿を現した。


「えっ……」


それは、練習着に身を包んだ凌空で。教室に入ると、躊躇うことなく真っ直ぐにこっちへ向かって歩いて来て。隼人の机の上に置いてあった、花音ちゃんのサブバッグをひったくる様に奪った。


「やっ…」


言うより早く、ひっくり返した中から落ちてきたのは……。


「え、なにこれっ……」


驚いた。……野球部のスコアブックだったから。

どうしてこれが花音ちゃんのバッグに?花音ちゃんを真っ直ぐに見たまま、凌空があたしに説明する。


「1年のヤツが、手塚が部室入ってスコアをカバンに入れるのを見たって。そいつは俺から頼まれたのかと思ったらしい。でも俺、んなこと頼んでねえよな」


花音ちゃんが、盗んだの……?


「なんでこんなことしたんだよ」


……じゃあ。


「前のも……花音ちゃんが?」

「前?」


あたしが言うと、以前の紛失を知らない凌空は、眉間のしわを一層深めた。


「うん……実は、つい先日1冊なくなってるのに気づいたの。でも、これとは違うもので……」

「これだけじゃないのか!?」


――バンッ!


凌空が机に激しく手をつく。


「実は……投手ファイルもなくなってて……」


まさかと思いながら口にしたとき。


♪♪♪~スマホの着信音が鳴った。

それは花音ちゃんのだったようで、凌空の目を見つめながらもゆっくりスカートのポケットに手入れ、画面に目を落とす花音ちゃんの顔がみるみる青ざめた。


「……どうしたの……?」


あたしの問いかけにも答えず、花音ちゃんは画面を素早く操作すると、それを耳に当てた。


「もしもしっ……」


誰かに電話を掛けたみたい。向こうからは、男の子の声が微かに聞こえた。


「お願いやめてっ……」


切羽詰まったように訴えるその手は、震えていて。


「晃、もしもしっ、もしもしっ!……っ……」


一方的に切られたのか、同じ言葉をくりかえした後、放心したように手を下ろした。

晃って……体育祭の時に来てた幼なじみの海道くん……? 顔は真っ青で、唇も震えてる。


「……どうしたの?」


もう一度問いかけると、今度はすがるような目を向けられた。


「矢澤くんにもこのノートを見られたのっ」


さっき見た強気な顔なんかじゃなくて、今にも泣き出しそうに。

正確には、もう抑えきれてない。


「矢澤くん……晃の所にファイルを取り返しに行くって言って……」

「はっ!?ファイルはアイツに渡ってんのかよ!」


えっ……。じゃあ今、隼人は海道くんの所に……?


「晃を止めに行かないと……」

「……!?」

「晃……なにするか分かんない……」

「……っ」


凌空とあたしは同時に息をのむ。花音ちゃんの言葉は、隼人の危険を意味していて。教室を飛び出す花音ちゃんに続いて、あたしと凌空もその後を追った。



学校を飛び出し、大通りに出てちょうど来たバスに飛び乗り、20分くらい揺られ……花音ちゃんが降りるままについて行くと、そこはかなり広い空き地だった。

空き地といっても何もないわけじゃなくて、潰された車が山積みになっていたり、不法投棄されてる家電があったり。なにかの工事が中断されたのか、鉄パイプで組まれた足場もあり、草も伸び放題だった。

人が立ち入らないように、黄色いロープで柵がされている。


「ここ、晃たちのたまり場なの」


呆然と立ちつくすあたしと凌空に、この先を真っ直ぐ指さす花音ちゃん。


「たまり場?」

「晃……地元で悪い人たちとつるんでて」


言われて納得。こんなところ誰も寄りつかないだろうし、格好のたまり場になるはず。

ここに隼人がいるの……?

普通なら足を踏み入れるのも躊躇う場所も、そう思えば迷うことなくその柵をくぐった。


「足元、気をつけろよ」

「うん」


色んな廃材が散乱していて、注意しないと足を取られそうになる。それらをかき分けながら進むあたしは不安しかない。


「ねえ、ほんとに隼人はここにいるの?」


前を進む花音ちゃんの背中に問いかけた。誰にも言わずに、こんなところにひとりで……?


「矢澤くんは晃の所にファイルを取り返しに行くって言ったし、晃からも電話で…………間違いないと思う……」


語尾が弱くなる花音ちゃんに、バスでの会話を思い出した。さっき教室で、隼人にもスコアブックが見つかってしまったこと。

桜宮野球部に情報を横流しするために、凌空から色んな情報を聞き出し、投手ファイルの存在とそれが部室にあることも凌空から聞き、盗んだこと。

凌空はそれらの紛失を知らない。

凌空のせいにさせないように、隼人はあえてひとりで海道くんからファイルを取り返そうと向かったみたい。


隼人がどこからか見つけてきたふりをすれば、紛失なんてなかったことになり。凌空が批難にさらされることもなくなる。

……だから、ひとりで解決しようと思っていたんだ。


バスの中で、凌空は必死に怒りを抑えていた。花音ちゃんに部内のことを話してしまった後悔もあったかもしれない。


『花音ちゃんひどいよ!』


代わりにあたしが責めたてた。花音ちゃんと野球の話が一緒に出来るのを、すごくうれしそうに話してくれた凌空の顔を思い出して。

尚更……許せなかった。

花音ちゃんは涙し、あたしはバスの乗客から批難の目を浴びたけど。それでも、あたしは抑えられなかったんだ。


「どこなの……?」


歩いても歩いても、同じような景色が続く。不安なってあたしがそう口にしたときだった。


―――ガラガラガシャン!!!


激しい音が、静かな空き地に響き渡った。


……なに……? あたしたちは動きを止めて、目を合わせ。次の瞬間、音のした方へ一斉に走り出した。


イヤな予感がする。なんだろう、この胸騒ぎ。

隼人……無事でいて……っ。


「……っ!」


音のした現場にたどり着いたとき、思わず息をのんだ。見えたのは、足場が崩れて落下した鉄パイプの数々。3段に組まれた足場。半分は原型を残しているけど、左側が完全に崩落していた。もっと近寄ると、崩れた鉄パイプの下から人の足が見えた。


「大丈夫かっ!!」


凌空が呼びかけながら頭の方の鉄パイプをどかしていくと。


「……っ!!!!」


その下から現れたのは、隼人の姿……。


……なんでっ……。額から血を流し、顔を歪めている。


「いやあああっ……!!!!」


花音ちゃんは叫び、その場に膝をついた。


「隼人っ!しっかりして!!」


完全にパニックだった。見えているこの光景が、現実のものなのか分からなくなるくらいに。

それでもあたしと凌空は、泣きさけぶ花音ちゃんの横、無我夢中で体中に乗せられた鉄パイプをどかして行く。

放心してる暇も泣いてる暇もない。早く助けなきゃ……!!


「救急車、救急車呼んで!」


手を動かしながら叫んでも、花音ちゃんはその場から動く気配もなく、あたしは震える手でスマホを握り締め119番に繋いだ。


「事故ですか、救急ですか」


そう呼びかける声に、あたしはなんて言葉を発したかわからない。

ここがどこなのかもわからない。それでもスマホから居場所を検知したのか


「すぐに向かいます」


確かにそう聞こえたことに安心して、スマホが手から滑り落ちた。


その間も凌空は必死に作業を続け、体の上に乗せられていた鉄パイプはすべて取り除かれた。

凌空は隼人の体の下に手を入れ、上半身を支える。

幸いにも意識はしっかりしているようで、「うっ」と声を漏らしながら隼人は顔を歪めていた。


「隼人、しっかり」


あたしも頭の方に回り込み、体に手を添えたとき。


「おい、なんだよ……これ」


べつの声が聞こえた。

顔をあげると、そこには海道くんを含めた数人の高校生がいた。海道くん以外は、知らない高校の制服を着ている。


「てめえっ……!」


隼人の体を抱えながら、凌空が大声で叫ぶ。


「俺達はなにもしてねえぞ……なあ」

「あ、ああ……」


この惨状は予測していなかったのか、全員強張っていた。


「何もしてねえじゃねえだろっ、これを見てみろよっ!」


崩れた足場。散らばる鉄パイプに、幅木。隼人の制服は、汚れと埃で真っ白になっている。額からは、出血も……。

声を荒げる凌空に男たちは顔を見合わて一瞬黙り込んだけど、すぐ口を尖らせた。


「俺たちはただ、ここへ来た度胸を買って、ファイルを返そうとしただけだ」

「ああ。あの最上部にファイルを置いたんだ。取り返したかったら取って来いってな。別に無茶な要求したつもりねえぞ」


見上げるのは、半分崩れた足場。そばから見上げるととても高く、足を置く幅だって狭い。そこへ上がるなんて、考えただけでも足がすくんだ。

これのどこが無茶じゃないっていうの……!


「俺がファイルを置いて来たときには平気だったぞ」


ひとりの男がそう言い。


「ボルトがさびて緩んでたんじゃねえの?不慮の事故だろ」

「そうだぞ。訴えんなら、足場を放置した建設会社に言えよっ!」


責任逃れなのか、自分たちには非がないと言い張る。その間も、ずっと隼人のうめき声は続いていて。


「大丈夫だ、すぐ救急車来るから」

「もうちょっとだよ、我慢してっ……」


痛みに顔を歪める隼人に必死で声を掛ける。


「おい、マジ大丈夫か?」


近寄って様子を伺う男をあたしはキッと睨みつけた。


「近寄らないでっ!」


故意じゃなくても、これは彼らが招いた事態に変わりない。心配する資格もない。……許さない。


「はぁ……っ……」


最初は荒かった隼人の呼吸が、落ち着いてきた。出血もハンカチで抑えていると徐々に収まってくる。あんな所からの落下にしては、軽傷で済んだのかもしれないとホッ胸をなでおろす。


「右腕、動くか?」


真っ先に腕の心配をした凌空に、心臓がヒヤッとした。


大事な右腕。それが一番心配……。

恐る恐る右腕を上げて、ゆっくり肩を回す隼人から安堵の笑みが漏れた。


「ああ、動く。他も問題ない」


体中は痛いはずなのに、右腕が動くことですべての痛みが飛んだように。

隼人もそれが一番心配だったよね……。


「はあっ……よかった」


あたしは優しく右腕をさすった。

右腕は、隼人の命と同じくらい大切なモノだもん。右腕が傷つかなくて、ほんとに良かった……。

それを見て、少し落ち着いた様子の花音ちゃんがようやく口を開いた。


「晃……なんでこんなこと……」

「だって……花音が」

「あたしここまで頼んでない!ただ、桜宮の野球部に情報を流してくれれば良かっただけなのに!」

「花音……」


花音ちゃんに睨まれた海道くんは、言葉を失くす。


「青翔が、桜宮に負けてくれればよかったの。甲子園に出られなければ、それでよかったの……」


花音ちゃんは泣きじゃくりながら訴える。


「始めは……ほんとに応援してたけど……。矢澤くんと凌空くんと結良ちゃんが、団結して甲子園に向かってるのに嫉妬して……だんだん、行けなければいいなって思うようになった……」


花音ちゃんの本音に絶句し、背筋が凍りついた。

確かに予兆はあった。笑顔の裏で、あたしに見せた鋭い刃。

その刃に、心が折れそうになったのも確か。でも、グラウンドで凌空に見せていた笑顔まで偽物だったなんて信じたくなかった。


「矢澤のことで泣いてる花音が見てらんなかったんだよ!」


言って、海道くんは苦しそうに顔を歪めると。


「花音のこと振り続けた男なんだろ!?そんなヤツ、俺がボコボコにしてやるっつうんだよっ!」


理性を飛ばしたような目をして、隼人に向かってくる。


やめてっ……!あたしと凌空が咄嗟に隼人を守ろうと体を入れたとき。


「もうやめてよっ……!」


海道くんの体を抑えたのは花音ちゃんだった。


「……分かってたよ。あたしが矢澤くんを好きなように、矢澤くんは、結良ちゃんが好きだっただけ……誰が悪いわけでもない……。わかってた……そんなのわかってたのに……」


泣き声に混じる切なすぎる想いに、心が揺さぶられた。


「……ごめんなさい……傷つけたいわけじゃなかった……ただ……好きだった……」


……花音ちゃん。


想いの強さに、胸が苦しくなった。好きになりすぎたからこそ。

報われない想いが憎しみにカタチを変えちゃったの……?


「凌空くんも、ごめんなさい……。利用するようなことして……」

「……はぁ……」


か細い声花音ちゃんの謝罪に、真横から聞こえるのは大きいタメ息と。


「……分かってたけどな」


呟く声。

え、と顔をあげたとき。


「結良ちゃんも……ごめんなさい……」


あたしに向かって頭を下げる花音ちゃんの姿が目に入った。


……あ。花音ちゃんがあたしに見せた刃は、凌空じゃなく、隼人へ込めた想いから生まれたものだったんだね……。

ぶつけるところがなくて、矛先を変えてしまった不器用な恋。あたしだって不器用すぎて、きっと隼人を傷つけた。

花音ちゃんだけを責められないよ……。


「……んで、情報は流したのか」


凌空が海道くんに詰め寄る。

問題は、そこだ。あたしも海道くんの顔をジッと見つめた。


「言ってねえよ。この先も言う気はねえ。正々堂々闘えよ」


口調からは、決して嘘を言っているようには思えない。


……良かった。すると、側で見ていた男がニヤリと笑った。


「晃の狙いは、野球部に情報を流すんじゃなくて、もっと他にあったんだからな」


……え?


「コイツと対峙すること」


乱暴に顎を向ける先は、横たわっている隼人。


「ファイルを取り返らせたとこで、大人しく帰す気なんてなかったよなー」


花音ちゃんがピクリと反応した。

教室で電話を掛けたとき、血の気が引いていた花音ちゃん。恐ろしいことを言われてるんじゃないかと思ってたけど。

……やっぱり、ただじゃすまなかったんだよね。


「おいっ!」

「いい話でまとめようとすんなよ。ほんとはコイツ人質にして、ソイツ呼び出す作戦だったじゃねえか」


コイツ……は隼人で。

ソイツ……は凌空……?

話が一件落着したと思ったときに仲間割れに近い小競り合いが起き、


「んで、ふたりまとめてぼっこぼこー」

「黙れえええええっ!」


海道くんが仲間の頬を一発殴った。


わわっ。目の前で、本気の殴り合いを始めてみたあたしは心臓が飛びあがりそうになる。

殴られた男はその場に倒れ込み、「痛え」と抑える唇には血がにじんでいた。


……どっちにしても、隼人は無事で帰れる保証なんてなかったんだ。


だけど花音ちゃんが正しい判断をしてくれたから。一度は裏切ったかもしれないけど、最後は守ろうとしてくれた。

だから、あたし達をここへ連れて来てくれたんだよね?


本当に、隼人が好きだから……。

その想いは歪んだものじゃなく、真っ直ぐだったことには間違いない。



少し落ち着いてから周りを見ると、側にはスコアブックと投手ファイルが落ちていた。すぐ拾いにいって、胸に抱えた。


「こんな物のために、ひとりでキケンをおかさないでよっ」

「こんなの、じゃねえよ。これはチームの心臓部と同じくらいすげー大事だし、な」


隼人の視線の先は凌空。


「……借りを作りやがって……」


口調は乱暴なくせに、目は真っ赤で。その腕は、隼人しっかり支えてる。


……凌空……。

こんな目に遭った隼人に、責任を感じてるのかな……。自分を庇うためにひとりでここに来た隼人の想いに……。

ついさっきまでは、隼人に対して苛立ちを見せていた凌空が。


仲違いしていたふたりが。またひとつになっていく……。

そう簡単に壊れるはずのない絆が見えた気がした。

遠くで、救急車のサイレンが聞こえてきた。


「もう大丈夫だよ、隼人……」

「ああ……」


隼人は安心したように微笑むと、瞳を閉じた。

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