愛が地球を救うはずだった
白川津 中々
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害虫を殺すため研究に研究を重ねた結果、男はとうとう全てを瞬時に溶かす液体を開発したのだった。
害虫とは即ち、黒いアイツである。遺伝子情報に刻まれた根源的恐怖を呼び起こすあの悪魔を根絶やしにすると決めた彼は、その液体を使う日を心待ちにしていた。そしてある夏の日、ついに現れたアイツにその液体を振りかけた。物体に触れた瞬間に溶け出すため水銀に混ぜて磁力により空中に固定していた装置の電源をヤツの真上でオフ。液体は諸共呑み込み消滅に成功した。だが、液体はそのままどこまでも地球を溶かしていきマントルまで到達。核に損傷を与え自転を止めてしまい、人類は滅亡したのだった。
虫ケラとて命があることには変わりない。それを忘れ、傲慢にも滅さんとした人間の末路である。もし、彼らが他の惑星で、知的生命体として生まれ変わったとしたら、どんな生物でも愛せるよう努力していただきたい。
愛があれば、地球は救われるはずだった。
宇宙には、愛が必要だ。
愛が地球を救うはずだった 白川津 中々 @taka1212384
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