第7話7歳④

シャルロッテは鬼の子だった。


転生したら鬼の子だったわけだ。

しかし本当にシャルロッテが鬼の子であるわけではない。


本当に鬼の子だったら、チート能力とか使えるよ!

だけど転生先はチート能力なんてないただの令嬢。

転生特典なんてなし。

部屋を見回す。

部屋も汚い。


広く2階まである部屋だが掃除をしていないので埃っぽい。

掃除をする必要がありそうだ。


そんなこんなで今のところ何もいいところがない。


ただ真田茜が死んだだけ。


「はぁ」


思わず大きなため息を吐いてしまう。


ぐうぅぅぅぅ


部屋の中にお腹の音が響く。


そういえば最後にご飯食べたのいつだっけ?


熱に魘されて気絶されてたりしてたからなぁ

もうずっとご飯食べれてない。

それはお腹が減るわ。


ご飯はシャルロッテはいつ食べていたっけ?


確か決まった時間にご飯が運ばれて廊下に置いて行っていたな。

ご飯が置かれた合図にベルが鳴る。


お腹が減ってなくてご飯が食べれずそのまま放置でも何も言われないし部屋に入ってくることもない。

シャルロッテがもし死んでいたら、侍女たちはどうするのだろうか。


リンリーン


ベルが鳴った。


ちょうどいい時間にご飯を運んでくれたようだ。


侍女に鉢合わせして嫌な顔されても嫌なので侍女がさった後にご飯をとりにいく。


しばらく待ったら、ご飯を外にとりにいく。

ご飯をとって机に置く。


「いただきます」


今から食べるご飯はパン粥である。


因みに毎食ご飯はパン粥である。


さすがに毎日パン粥は飽きてしまう。


そんなことを思いながらスプーンで粥を掬う。


そして口に入れた。


「熱っ!」


パン粥は熱々で一気に口の中に入れたため口の中を火傷してしまった。


やってしまった…


自分が思っていたよりもお腹が空いていたようだ。


ガツガツ食べてしまう。


しばらく食べ進めていると口の中に違和感を感じる。


なんでだろう?


味もおかしい。

でも異世界のご飯は不味いって言うしこんな物であろう。


そう違和感を無理やり自分に納得させながら食べ進める。


「ごちそうさまでした」


全て食べ切ったがまだ違和感は消えない。


喉が渇く。

水を飲む。

喉が渇く。

唇や舌が痺れる。

手足も痺れてくる。


「いつものことだ。」とシャルロッテの記憶がいう。


いつものこと?


そんなはずない。


食後に調子が悪くなるなんて病気…


低血糖か?

いや症状が違う。

糖尿病か?

症状は一致しているが、食後からというのは不自然だ。


症状から見て、病気じゃないはずだ。


「じゃあ何だろう…」


今までの記憶を振り返る。

ん…?


「麻アレルギー…?」


麻アレルギーが気に留まる。


アレルギーはアレルギーを持っている人にとってはその物を摂取することは毒である。


「毒…?」


毒…


確かに毒の初期症状に似てる。


つまり今までシャルロッテのご飯に毒が盛られてたってこと…!?

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