第2話プロローグ②

熱い…熱い…!!


体が燃えるように熱い。


何、これ?

何も考えられない。

つらい。

息ができない。

涙が出てくる。


私は何か悪いことをしただろうか?

何か罰が当たるようなことをしただろうか?


家族を急いで呼ばないと!

救急車を呼んでもらわないと!

そう思い声を出そうとするも声が出ない。

いつもどうやって喋っているかすらもわからなくなってくる。


そもそも体を動かそうと思っても動かない。

こんなことは初めてだ。

私は体を動かすことを諦めじっとしていた。


それからどれくらい経っただろう?

体の熱さが少しずつ遅まってきた。

息が少しずつ吸えるようになってきた。


それでも体がだるい。

吐き気がする。

口の中前提が痺れている。


とにかくおかしい。


とてつもないほどの喉の渇きを感じる。

水を飲み一度落ち着こう。


そう思い立ち上がるために目を開くとそこは知らない天井だった。


「へ?」


どういうこと?


よくよく考えてみるとベッドもいつも寝ているベッドよりも硬い。

まるで地面で寝ているようだ。


そういえば、私ベッドに寝転がったっけ?


色々な疑問が頭に広がる。


だけど水を飲みたい欲に耐えることができず、私は一度思考を停止させ、立ち上がり水のある場所まで歩き出す。


この部屋を知らないのに私は水を置いてある場所を私は知っている。

知らないのに知っているという現象が気持ち悪い。


気がつくと、私は部屋の奥へ移動して、水瓶から水を汲んでいた。

まるで自分の体ではないようだ。

ふわふわしている。


そして水を一口、口に含むと一気に頭が冴えた。

まるで夢から覚めたようだ。


すると一気に記憶が流れ出てきた。

自分ではない誰かの記憶が

いや、元から自分の記憶のような気もする。


気持ち悪い、頭痛い。

思わず床でのたうち回る。

どうしてこんな目に遭わないといけないの?

私はもう泣いていた。

さっきも熱く熱くて死ぬかと思ったのに、今度は頭痛?

もういやだよ。


私は既に泣いていた。

泣き喚いているとだんだん頭痛に慣れてきた。


そして私はだんだん冷静になっていた。


記憶として流れてきた誰かの記憶は私なのだ。

今の私は真田茜さなだあかねではない。

別の誰かの体に私の意識が入り込んでいるということだろう。

今時の言い方で言うと転生ということではないだろうか。


そう思うとなぜかストンと腑に落ちた。


きっと真田茜さなだあかねは死んだのだ。

死因は謎だが。


とにかく疲れた。

そう言うことにしよう。

これ以上何も考えたくもない。

考える元気もない。


一旦寝よう。

寝たらきっと楽になれる。

そう思い、私はいつのまにか眠っていた。

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