昔話

私が玉緒と出会ったのは高校に入ってすぐの頃だった。


「最初どこだったっけあれ?」

広いお店だったような記憶はあるが忘れた。


「ペニンシュラだった気がする」

玉緒はそう言ったが私はそれが何の事だか分からなかった。レストランかな?


「あれは何の集まりだったんだっけ?」

私がそう訊くと玉緒は微笑した。


「何だったんだろうねあれ」

玉緒は微笑したままそう言った。


「そこで茉莉から英語を教えてほしいって言われた」

玉緒はそう言った。それは私も覚えている。


「唐突だよね」

初対面のフリーキャスターさまに我ながらなんと唐突な事を言ったものか。


「そうだねえ」

玉緒は笑ってそう言った。


「迷惑じゃなかった?今更だけど」

私は麦茶を取りに行きつつそう訊いた。


「んー」

玉緒は当時の記憶を思い出すように間を取った。


「迷惑とは思わなかった」

玉緒は少し上目遣いでそう独りごちた。


「なんだろ?あっハイみたいな」

なにそれ。


「まあ運命の出会いってやつだよ」

玉緒は笑顔でそういいつつソファの座面を軽く叩いた。はよ座れと。



高1の時の事だからつまり3年前の話なのに良く覚えていなかった。そもそもなんで人気フリーキャスターと会食などできたのだろう?

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