反問
「むしろ茉莉のほうが政治家に向いてそう」
玉緒は身を起こしてビールのグラスに手を伸ばしながらそんな事を言った。
「私が?」
どこが?
「何を言われても動じないし」
そうかな?
「でも私はあんまり愛想良くないよ」
それが私の欠点である。
「超然としてるというか」
玉緒は意外な事を言った。
「ぼけーっとしてるとは良く言われる」
中高でよく言われたものだ。
「ボキャブラリーが乏しいだけだよそれ」
玉緒はビールを一口呑んでにやりと微笑んだ。
「このでっかい目がね……」
玉緒は私の目元を触れながらそう言った。じっと私の目を見つめてくる。
「ほら、全然目が動かない」
玉緒は少し目を見開いてそう言った。
「最初はビビったなあ」
玉緒は意外な告白をした。
「そうなの?」
意外に思ってそう訊き返した。
「アンドロイドか何かかと思った」
玉緒は笑ってそう言った。
「褒めてないよねそれ」
私は正しい指摘をした。
アンドロイドと間違われるような女が選挙で勝てるとは思えないが。
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