第3話 見えてくるものは①
初の冒険から半年が経ち
前世の夢も見なくなってきた、もうすぐ6歳になる頃
現在お兄ちゃんの部屋のソファーにすっと座った途端ペチンっ!と可愛らしい音を立てていた
「ねぇ!!兄ちゃん!姉ちゃん!世界ってどうなってるの!?」
兄弟である
父譲りの黒髪、清潔で冷静沈着を体現したような兄のヨハンや
母譲りの茶髪、誰もが憧れるような凛とした姉のウィーリアに質問をしていた。
「そうだな、世界かぁ、とにかく広いな!」
「この問いにはそう答えざるを得ないね」
少し困ったっと言わんばかりのヨハン兄ちゃんに笑いながら肩をすくめ、そう答えるウィーリア姉ちゃん
「わかった!じゃあなんでもいいから教えて!!」
子供特有の元気の良さに圧倒される兄姉だが
「そうだな~じゃあ、人類の話をしよう」
「そうね、その話が一番いいよね~」
弟に頼られるのはうれしいのか、にこやかに話しをする。
穏やかな口調で語られるのは人類の種族の話
人類には大きく分けると、5つの種族に分かれるそうだ
原人族(すべてのヒト属の祖と考えられている)
森人族(エルフとよく言われる種族)
獣人族(ヴォルグとよく言われる種族)
矮人族(ドワーフとよく言われる種族)
龍顕族(ドラゴニュートとよく言われる種族)
今確認されてるのはこの5種族だという
そして自分たちは原人族だそうで兄ちゃんは「ドワーフに生まれたかったな〜」とか姉ちゃんは「私はドラゴニュートになりたかった!」とかワイワイしていた。
僕にはあまりわからない種族の話なので、それぞれどんな特徴があるのか?とか聞いてみたがそれはまだ教えられないと言われた。
また6歳にならないと教えてくれないのか、と苦言を呈し、その通りだと言われてしまった。
ムッとしているとお姉ちゃんが「6歳まで我慢することが大人の第一歩だからまだ駄目よ」と僕を自分の膝の上に乗せ語り聞かせる
「じゃあ6歳になったら何でも答えてね?」
「もちろん、教えてほしいことがあればできる限り答えてあげるさ」
「そう言えばファーちゃん、前世の記憶で色々わかるんじゃないの?」
僕は少し困った、なんでかって?それはもちろん前世の記憶があれば確かに今聞きたいことが当たり前のようにわかるだろうけど正直に言うと情報量が多すぎて取捨選択なり時系列がわからなかったりでそこにリソースを割くのが難しいのだ。
せっかくの情報を管理しきれてないのは少し恥ずかしい気がしてあまり言い出せない
「えーっとね、んーっとね。」
「言いたくないことなら言わなくてもいいのよ?」
「困ってるとかなら話してくれたらなにかしら手伝うことができるかもだぞ」
すこし悩んだが確かにここで恥ずかしがっても記憶を整理できてないのは変わらないし、整理できるのならそれに越したことがないのかもしれないと思い正直に話す事にした。
___
「確かに、膨大な量だものね」
「ふむ、ならそうだな紙にその記憶、それから情報を書き連ねると良い」
「そんなことで整理されるの?」
にこやかに頷くヨハン兄ちゃん、しかしと続き
「その本はファストだけが見れる形にしときな、俺やウィーリアにも見られないような工夫が必要だな」
「え?なんで?」
「フフ、そうねぇ6歳になればその質問を私達の解釈で話してあげるけど多分・・・納得できない、そうしないよね?」
と話、そうねぇと兄ちゃんと姉ちゃんは少し考えていた、しかし答えが出なかったのか苦笑い気味で答える
「俺やウィーリアが隠して欲しいから・・・・かな?」
「あははそうね!答えにはなってないけどそうよファーちゃん!その記憶は今はまだ隠して欲しい!お願い!ファーちゃんにとっては簡単よね?」
「わかった!兄ちゃん、姉ちゃんが言うならそうする!」
とその後談笑しているとコンコンっとドアをノックする音が部屋に響き、旦那さまからですと聞こえる
どうぞとヨハン兄ちゃんが言う
ドアを開けたのはここの家で見かけるメイドさん
「旦那様と奥様が戻られました、皆様を旦那様の部屋へとお連れするよう仰せつかりました」
「あー、新たな弟の件か、よっしゃ行こうか」
「弟!僕がお兄ちゃん!弟!」
「あーそんな話もしてたね、やっと会えるのね楽しみ♪」
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