第2話① 成長中
フハハハ!!
やっと・・・!やっと・・・!私が満足できるレベルの魔力仮説ができたぞ!!
今までのようなあやふやな仮説なんかじゃない!これまで”それ”だけでは説明のつかない現象がほとんどない!まだ説明のつかないようなこともあるがこれほど穴が埋まった物もない
しかし、現実というのはいつも一言では言えない複雑で、答えも複雑なことは往々にしてある!
つまりはこの世の魔力特性は人、魔物、鉱石や木々にいたるまで全く同じ色の持つものはない、それはなぜかまではわからない、だがここまでの様々な検証や実験で明らかだ!
ザサァッ
私の仮説論文を黙読していた弟子が読み終えたのか目をランランと輝かせ勢い良く立ち上がった。
「せ、先生!この仮説は世界を変えますよ!?」
「あぁこれを公表したらおそらく学者、国、わかるものは商人に至るまで可能性の広がりを感じるだろう!」
「はい、先生!しかしこれ公表前に遠距離会話魔術の報告を国にしなければならないと思います!」
「それもそうだな。こんなのは軍で広く使われるだろう」
「もっとまともな所で使われて欲しい所ではありますがね」
そう、この理論を用いれば個々人での秘密会話が用意に成り得ることなんぞきっと誰でも思いつくだろう、特によく外に出かけているような冒険者や商人、軍人などがなんとなく思うだろう。
離れていても会話をし指示出しをしたいとな。
例に漏れず私もその一人だ、たまたま外に出かけている時に弟子に連絡を取りたいと思っても手紙ぐらいしかないと思い、お互い合ったタイミングで確かめたらできたんだ。
発見はどこにでも存在するのだと改めて思ったできご事であるな。
__________
ふぁ〜〜〜
今日もゾシモスとやらの記憶を夢に見たなー
それにしても面白そうな事言ってたな、魔力の色はみんな違うのか、色を見るためにどうやって研究したんだろう?
気になるな、外に出ればわかるのかな?
木々に囲まれた場所、森に行ってみたい、いや行こう!!
ハハハ!ワクワクする!!
こんにちは、僕はファスト・ダナフィ。
5歳!元気いっぱいで遊び回るのが好きな普通のこども!
外に出る許可をもらいにパパとママに合いに行った所、理由も言わず却下されたのでこっそり外に出る準備!
バレたら怒られる?知らないね!僕は外に出て見てみたいんだ!いろんな物をね!
というわけで誰にも見つからないように花壇を抜け小さい門から出るとそこにはとても綺麗な光景が広がっていた。
それは木で建てられた家々が建ち並ぶ港町、大きな川を挟んで街が別れている、片方は数こそ少ないが、一軒一軒大きく作られていて。
一方、もう片方は大きさこそ小さくなっているが数は多く、また横ではなく縦に高い建造物が多く見える。
それにそこの川には活発に行き交う船が見える。
人の流れや生活を想像できるそんな光景、今まで家にいる時は感じなかった人の思いみたいな物を見れた気がしたファストは少々見惚れていた。
「違う違う見惚れるためにここを出るわけじゃない!でも一旦街に行ってみようかな」
気を取り直して森にでも行こうかと考えたがそれはそれとして街にも興味が湧いたファストは先に街に行ってみる事に
ファストの家は小高い所に建っているのもあり街に降るのも大変、しかし道はかなり整備されているようで、石ころ一つない綺麗な道が広がっていた、しかし柵を跨げば森ほどでもないが木々が生い茂っている
「この辺だと知っている人に出会いそうだから道が少し見えるぐらいの距離感で進んでいこー」
しばらくするとガヤガヤと人が忙しなく街並みが目の前に見えてきた、心臓の高鳴りを感じる。
というのも外に一人で出歩くのも初めてなもので緊張と興奮を抑えきれなくなっている。
さてまずは何しようかな、何もわからないし同じ年の子が集まるような場所に行こ
なんとなく周りを見渡せば子ども連れの親だったり、おじいちゃんおばあちゃんの比率が多いようだ、なら子連れの人たちを追いかけたら子どもが集まっている場所に着くだろう
てくてくとことこ、その親子についていくと少し開けた場所に出た
そこには沢山の大人や子どもが集まって遊んでいるのが見える
少し遠くから観察することに、というのも自分の周りに年の近い人がいない、そのため少々同年代の子と何を話せばいいのかわからないのである。
と、少しの時間その光景を眺めていたら、こちらに気づいたであろう子が数人でこっちに近いて来た。
「こんにちは!そこで何してるの?一緒に遊ぼ!」
戸惑っていて返事ができずにいたが、その子は手を伸ばして微笑む。
鬼ごっことやらにかくれんぼ、いろんな遊びを日が暮れかける前まで遊んだ
人と遊ぶのって楽しい!
初めての感覚にウッキウキ。しかし少し残念な事が判明した。
「この動きできない?」
それはダンスのような動きキビキビとした動作で体を動かしている
「う〜ん難しい」
見様見真似で体を動かすがうまくいかない
おそらく、自分は運動オンチなのだろう、体を動かすのがあまり得意ではないようだ
そうこうしているうちに日は傾き少し肌寒くなってきた
さ、みんな帰るよ!との掛け声が耳に届き渋々帰る事に。
「また明日ね!」
明日も来れるか怪しい僕は少し考えたが、うん!っと頷く
そんなこんなで家に帰れば憤怒の形相で叱られたのは言うまでもない
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