第3話スロットとの出会い

僕は今は時効だから言うが、17歳の時からパチンコを打っていた。軍資金は、コンビニでアルバイトして、月6万円の給料から捻出していた。

しかし、バイト代は家が祖父の在宅介護で農家と介護職、または、父は長距離トラック運転手だったので、親がいない日は、子供達が料理して食べていた、だからそれの材料費。

そして、熱帯魚、彼女との交際費で使うので、パチンコ代と言っても、1回に3000円くらいしか使っていなかった。

それでも、美味しい思いを何度もしてきた。


そして、高校を卒業すると大学に進学していた。

これもいけないが、大学生でありながら、パチンコをしていた。

バイトは3つ掛け持ちして、教科書などを買って、食費は羽根モノでまかなっていた。


それで、母がガンになり大学を中退すると、就職活動をしながらガードマンのバイトをしていた。

給料は月、頑張っても20万円前後。


ある日、バイトの夜勤明けに先輩に連れられてスロットを打ちに行った。

スロットは全然分からなかった。先輩が座ったのはジャグラーだった。

2000円でGOGOランプが光り、ビッグを3連チャンさせていた。

先輩は言う。


「スロットってのは、連チャンするためにある機種だから、スロットを憶えた方が良いよ。この台、座りなさい。メダルは全部あげるから」

と言って、上皿と箱に半分入ったメダルをもって打ち始めた。

先輩は、隣りの台で1000円でまたビッグを引いていた。


全然、目押し出来ないのでGOGOランプが光る度に、先輩が目押ししてくれた。

その日は、2万円ほど頂戴して、先輩は4万円ほど勝っていた。

そして、そのお金で飲みに行った。


翌日から、僕は徹底的にジャグラーを打った。

見えなかった図柄が見える様になる。

3カ月で、完ぺきに目押し出来る様になる。


あの頃は、リプレイ外しとかで枚数を重ねる時代だった。

たまに、パンクもした。


まだ、リーチ目が解らないニューパルサーには手を出さなかった。


それから、ピカ吾郎。面白い台だった。

盤面の上のルーレットが光り出せば、ボーナス確定で、スーパールーレットはビッグ確定だった。


そんなスロット生活をしていると、アステカが出て来た。

僕は何度も打ったが、アステカでボーナスを引いた事が出来なかった。

CT機で、連チャンすると楽しい機種だと聴いていたが、その前にビッグを引けない。


そこから、獣王などが出てくる。

4号機の到来だ。

しかし、僕の主力はパチンコで羽根モノ。

これは、手堅い勝ち方だった。

ウワサでは、パチ代を手に入れる為に給料では追っつかず、借金する病的ギャンブラーが出てきたと言う。


僕は1年後に、介護士の仕事に就職して程よいパチンコ生活を送っていた。

青くなったり、赤くなったり、パチンコ、スロットは勝てば良いのだ。勝つことだけが、肯定される世界だ。

だが、介護士の給料は低い。ボーナスもあったが、このままでは結婚出来ないと思い、名古屋に出てきた。


あれは、21歳の冬。12月10日だった。

女の子の家に1ヶ月間居候して、バイトして金を貯めてから自分の賃貸マンションを借りた。

そして、23歳で港湾関係の会社に就職した。

給料が倍になった。

浮かれた僕は、仕事が終われば飲むか?打つか?の選択に困った。

飲んだから、今の嫁さんと出会ったのだから、人生は分からない。

吉宗、アラジン、獣王、北斗などなど台頭して来た。


その当時、勝つと10万円、負けると10万円の時代だった。

そして、スロット熱が下がり、その頃からで始めた、甘デジか羽根モノを打つようになった。

仕事も忙しくなり、打てる日も限られた。だから、ダメージの少ない羽根モノ、甘デジを打つようになった。


そして、結婚する。結婚式と新婚旅行で貯金は使い果たした。

間もなく、病気になる。

今は気分転換で1パチを打つだけ。

勝とうと言う気はあんまりない。気晴らしだ。

今は、パチンコより酒だ。スロットはもう打つ事がほぼ無くなった。

1円パチンコで800円勝つのと、4円パチンコで2万円負けるのでは、やはり1円パチンコの方が楽しめるし、プレッシャーがない。

YouTuberじゃ無いんだから、じゃぶじゃぶお金を溶かす訳には行かない。


今週末に、1円パチンコで気晴らしだ。酒を飲むと色々考えるが、パチっていると余計な事を考えない。だから、精神安定剤の代わりになる。

でも、100円でも良いから勝ちたい気持ちは持っている。

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