禍◆れ¢ぞ
stdn0316
第1話
妻と旅館に来ていた。
夕食を済ませ、妻は地下にあるという大浴場へ行った。
露天風呂付きの部屋であるため、大衆浴場が苦手な自分はそこで済ませてしまった。
1時間以上経って、妻が戻ってきた。
「なんかこの旅館のお風呂、怖かったよ。地下だからっていってもちょっと薄暗いし...」
あまりよい雰囲気ではなかったようだ。
「結局長風呂しちゃったんだけど、入ってたの私だけだったし、廊下で従業員?みたいな人とすれ違ったから挨拶したのに、無視されちゃった」
言葉が出ない自分に、妻は続けた。
「そういえばロビーに自販機があって、見たことない飲み物あったからあなたの分も買ってきたよ、ほら」
見慣れない缶ジュースは今買ってきたとは思えないほどあちこち凹んでおり、商品名と思われる印字部分は一部が削れているがこのように読み取れた。
「禍◆れ¢ぞ」
「飲んでみなよ、それからあなたもお風呂入ってきたら?ちょっと暗いし熱いけど、空いてて快適だしいいお湯だったよ」
缶ジュースがいつの間にか空けられている。
この場をどう乗り切ればよいだろうか。
風呂から上がり、満面の笑みでこちらを見つめる妻は、左右の手が逆についている。
禍◆れ¢ぞ stdn0316 @stdn
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます