第31話 試作成功!? でも味が薄い…これはお酒なのか? もっと美味しくするには? 蒸留のヒントを探せ!
第29話:酒造り開始! さとうきび酒の試作と未知なる発酵の世界
第1章:いよいよ試作開始! 家族会議で酒造りを決定
領地の繁栄に向けた新たな挑戦として、 さとうきびのお酒 の試作を始めることにした。
すでに 天然酵母の培養 には成功している。次は、それを 酒造り に活かす段階だ。
夕食時の家族の会話でも、話題は自然と 新たな特産品づくり へと向かった。
「さて、坊ちゃま。いよいよ お酒造り を始めますか?」
リリーが微笑みながら尋ねてくる。
「そうだね。天然酵母の準備もできたし、あとは発酵させるだけ。でも、問題は…どんな方法で作るか、だよね。」
俺は サトウキビを搾ったジュース をどうやって 発酵 させるかを考える。
前世では、ラム酒の製造工程は複雑だったが、 今回はシンプルな方法 で試作したい。
「砂糖がたくさんあるんだから、それを水に溶かして発酵させるのがいいのかしら?」
母さんが興味津々に聞いてくる。
「いや、まずは サトウキビジュース をそのまま使おうと思う。砂糖を加えるのは、もっと後の段階で工夫することにして。」
「なるほどな。最初は 純粋なサトウキビの味 を活かすわけか。」
父さんも納得したように頷く。
「でも坊ちゃま、お酒って どうやって発酵させる んですか?」
リリーが素朴な疑問を投げかけてくる。
「簡単だよ。まずは 天然酵母をサトウキビジュースに混ぜる。あとは 適温で発酵 させるだけ。」
「坊ちゃま、でも発酵ってどのくらいの時間がかかるものなんですか?」
「うーん…最低でも 一週間、長くて 数ヶ月 かな。」
家族全員が、思わず 「そんなにかかるのか!?」 という顔をする。
酒造りは 時間のかかる作業 なのだ。
「じゃあすぐには飲めないのね?」
「うん。でも じっくり熟成させたほうが、絶対に美味しくなる からね。」
「なるほど…でもその間、発酵がうまくいってるかどうかの確認はどうするの?」
母さんがさらに質問を投げかけてくる。
「それが大事なんだよね。だから、 毎日しっかり観察して、必要に応じて調整 しないと。」
「坊ちゃま、お酒って ずっと見張っていないとダメ なんですか?」
リリーが驚いたように聞いてくる。
「いや、そうでもないよ。ただ、 発酵の初期段階 はすごく大事だから、最初の一週間は注意が必要だね。」
「なるほどな…しかし、お前はまだ六歳だぞ?」
父さんが苦笑しながら俺を見る。
「それがどうしたの?」
「いや、まるで本物の 酒造りの親方 みたいだからな。」
「まぁまぁ、うちの坊ちゃまは 前世で職人だったんじゃないかしら?」
母さんが冗談めかして笑う。
「うん、そんな気がしてきたよ…」
リリーもくすくすと笑いながら、テーブルの上を片付ける。
こうして、 領地初の酒造り計画 が正式にスタートした——!
第2章:発酵の始まり——泡立つ生命の水
さとうきびのお酒の試作が正式に決まり、俺たちはさっそく 発酵の準備 に取り掛かった。
工房の一角に 大きな木桶 を用意し、そこへ 絞りたてのサトウキビジュース をたっぷりと注ぐ。
透き通った 黄金色の液体 は、すでにほのかに 甘い香り を漂わせている。
「さて、坊ちゃま。これからどのように進めていかれるのですか?」
リリーが興味深そうに覗き込みながら尋ねた。
「まずは、昨日培養した 天然酵母 を加えるよ。」
俺は慎重に りんごとぶどうから作った天然酵母 を木桶に注ぐ。
その瞬間、ふわりと 果実のような甘酸っぱい香り が広がった。
「まぁ…! なんだかパンを焼くときの香りに似ていますね。」
リリーが思わず鼻をくんくんと動かす。
「そうだね。 パンの発酵 も、お酒の発酵も、基本的には 同じ酵母の働き だからね。」
「ふむ…しかし、これだけで本当にお酒になるのか?」
父さんが腕を組みながら問いかける。
「ええ。あとは 温かい場所に置いて、しばらく待つだけですよ。」
俺は桶の上に 麻布 をかぶせ、埃や虫が入らないようにする。
「坊ちゃま、発酵にはどのくらいの時間がかかるのでしょう?」
リリーが慎重に尋ねる。
「最初の数日は 泡がぷくぷく出てくる と思う。その後、少しずつ 香りが変わってくる はずだよ。」
「泡が立ってくるのですか?」
リリーが驚いたように目を丸くする。
「そうさ。酵母が元気に働いている証拠さ。最初は甘い香りだけど、だんだんと 芳醇な香り に変わっていくんだ。」
「酵母が生きているからこそ、ですね…なんだか 小さな魔法 みたいです。」
リリーがうっとりと木桶を眺める。
「坊や、あんまり 熱くなりすぎたら いけないのよね?」
母さんが少し心配そうに尋ねる。
「そう。その通りだよ。だから、桶は 風通しの良い場所 に置いておくんだ。」
「では、どのくらいの温かさが適しているのだ?」
父さんが鋭い視線を向ける。
「そうだな… ほんのり温かく感じるくらい かな? 触ったときに ちょっと心地よい温もり があるぐらいがベスト。」
「なるほど…温かすぎてもダメなのね。」
母さんが納得したように頷く。
「うん。暑すぎると 酵母がぐったりしちゃう し、逆に冷たすぎると 元気がなくなっちゃう からね。」
「まるで生き物のようだな。」
父さんが感心したように言う。
「実際、生きているんだよ。発酵というのは 命の営み そのものなんだ。」
そう言いながら、俺は 木桶の周りに石を積んで 風よけを作る。
これで 温度が急激に変化するのを防ぐ ことができる。
「さすが坊ちゃま、準備が抜かりないですね。」
リリーが嬉しそうに微笑む。
「まぁね。とりあえず 今日から36時間は、この桶の様子をチェック するよ。」
「お酒ができるまで、楽しみだわ。」
母さんも楽しげに微笑む。
「坊ちゃま、もし 失敗したら どうされるのです?」
リリーが慎重な表情で尋ねる。
「そりゃあ… もう一度やるだけ さ。」
俺がそう答えると、家族全員が 思わず笑って しまった。
こうして、領地初の さとうきびのお酒の発酵 が、静かに始まったのだった——。
第3章:試作の結果と新たな課題——まだ足りない、もっと美味しくするには?
サトウキビの搾り汁に天然酵母を加えてから、36時間が経過した。
木桶の中では、小さな泡がぷくぷくと浮かび、ほんのりと甘い香りが漂っている。
目に見えて発酵が進み、色もわずかに濃くなっていた。
「坊ちゃま、そろそろ発酵が終わったかと思います。」
リリーが木桶の蓋を開け、慎重に木の杓子でかき混ぜる。
「おぉ……これは、ちゃんと酒になってるんじゃないか?」
父が興味深そうに覗き込む。
「見た感じはいいけど、問題は味だよね。」
主人公は小さな木杯に発酵液をすくい、恐る恐る口に含んだ。
ごくっ……。
「……うーん?」
思わず首を傾げる。
確かに、酒っぽい風味はある。
だが、なんというかぼやけた味だ。
甘みはほんのり感じるし、確かにアルコールっぽい香りもあるけど、飲んでみるとなんだか水っぽいというか、薄いというか……。
「坊ちゃま、いかがですか?」
リリーが心配そうに聞いてくる。
「えっと……うん、ちゃんと酒にはなってると思う。でもなんかこう……キレがないっていうか、コクが足りないっていうか。」
父が木杯を取り、主人公と同じようにひと口飲んだ。
「……ふむ、確かに。悪くはないが、何かが足りないな。」
「これは……酒なの?」
母親が眉をひそめながら味見する。
「確かに、酒らしい風味はあるんだけど……ちょっと物足りないわね。」
「もっと、こう……濃厚な味になると思ってたんだけど。」
主人公は悩ましげに木桶を覗き込む。
「坊ちゃま、何か原因があるのでしょうか?」
リリーが質問する。
「うーん……たぶんだけど、酒の中に余分な水分が多すぎるんじゃないかな? だから味がぼやけてるのかも。」
「余分な水分?」
父が首を傾げる。
「うん。例えばスープでも、薄めすぎると味がぼやけるじゃない? それと同じで、たぶん酒の中にまだ余計なものが多いんだと思う。」
母が腕を組む。
「なるほど。でも、それをどうやって取り除けばいいの?」
「それが分からないんだよね……。」
もっと濃く、もっと風味を強くするにはどうしたらいいんだろう?
主人公は考え込んだ。
「火を使ってみては?」
突然、父が口を開いた。
「火?」
「酒を煮詰める、というのはどうだろう?」
「……なるほど!水分を飛ばせば、濃縮されるんじゃないか?」
主人公の頭の中で、一気に閃きが広がる。
母も納得したように頷く。
「確かに、水分を飛ばせば、酒の味が強くなるかもしれないわね。」
「でも……火にかけたら、お酒ってどうなるんだろう?」
主人公は少し不安になる。
「ふむ、ならば少量を試しに鍋で煮てみるか?」
父が提案する。
「そうだね。まずは小さい分量で試してみよう!」
こうして、次なる工程——「火を使って酒を濃縮する」——が始まることになったのだった。
──そして、試した結果
主人公たちは小鍋に発酵酒を少量入れ、慎重に火にかけた。
「……なんだか、すごい匂いがするね?」
母が鍋の中を覗き込む。
「確かに、酒の香りは強くなってる。でも……なんか、変な臭いも混ざってる?」
主人公は眉をひそめる。
恐る恐る小さじですくい、ひと口含んでみた。
ごくっ……。
「……ん? なんか、苦くなった?」
煮詰めることでアルコールの香りが強くなったが、同時にえぐみや雑味も増してしまった。
「うーん……なんか違うな。」
「どうやら、煮詰めるだけでは駄目なようだな。」
父も同じく味見をしながら、顎に手を当てる。
「そうみたい……じゃあ、どうすれば?」
──ふと、主人公の頭に浮かぶもの
ここで主人公の頭に、ある記憶がよみがえった。
(……そうだ、蒸留だ!)
──蒸留とは、異なる沸点を利用して液体を分離する技術である。
例えば、水の沸点は100度だが、アルコールはそれより低い温度で蒸発する。
つまり、加熱することでアルコールだけを先に蒸発させ、純度を高めることができるのだ。
(もしこれができれば、アルコールの部分だけを取り出して、もっと強くて純粋な酒ができるんじゃないか?)
──だが、この世界にはまだ蒸留の技術が存在していない。
主人公は目を閉じ、考え込む。
どうやったら、この世界にある道具で蒸留ができるのか?
「……方法を考えないと。」
少しの間、思考を巡らせたあと、ふと気づく。
(簡単な方法なら……水を沸かして、その湯気を集めるのと似た仕組みを使えば……!)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます