第28話 塩の未来を拓く!ドワーフ鍛冶師への招待状と魔の森伐採計画、始動!

領主の決断! 風車と塩田、そしてドワーフ鍛冶屋を迎える計画!










第一章:家族の団欒、塩の村訪問の報告!




「ただいまー!」




村から戻ると、母さんとリリーが笑顔で迎えてくれた。




「おかえりなさいませ、坊ちゃま、旦那様!」




リリーが嬉しそうに手を合わせ、母さんもにこやかに俺を抱き寄せる。




「初めての遠出だったでしょう? 疲れてない?」




「うん、馬での移動は思ったより楽しかったよ!」




俺は父さんの後ろに乗っていたとはいえ、馬の揺れにも少しは慣れたし、景色の移り変わりが楽しかった。




母さんは微笑みながら俺の顔を覗き込む。




「ふふっ、じゃあ今日はいっぱい話が聞けそうね。」




「その前に、まずは夕食にしよう。」




父さんの言葉で、俺たちは食卓についた。


テーブルの上には、リリーが用意してくれたホーンラビットの柔らか煮込み、燻製肉スライスと野菜サラダ、そして生ハムとフルーツのサラダが並んでいる。




「今日は特別な日でもないのに、ずいぶん豪華じゃないか?」




「坊ちゃまが初めて遠出した記念日ですから!」




リリーが誇らしげに言いながら、俺の前に料理を並べてくれる。




「じゃあ、いただきます!」




俺がスープをすすると、父さんがゆっくりと話し始めた。




「さて……今回の塩の村訪問についてだが……」




食事をしながら、父さんは俺たちに村の現状を語り始めた。




「今、領地の発展とともに、塩の需要が大きく増えている。しかし、それに生産が追いついていないのが現状だ。」




「具体的には?」




母さんが尋ねると、父さんは手を組みながら説明を続ける。




「塩作りには二つの大きな問題がある。一つは燃料不足、もう一つは人手不足だ。」




「燃料不足って?」




「釜焚きには薪が必要だが、塩の村は海沿いにあるため、周囲に木が少ない。今は流木や枯れ木を集めているが、それだけでは到底足りない。」




「それは大変ね……」




母さんが神妙な顔をする。




「人手不足の方は?」




「塩作りの工程では、大量の海水を塩田に運ぶ必要があるが、これは全て人力で行っている。そのため、作業が重労働すぎて村人の負担になっている。特に若い者は、より条件の良い仕事を求めて他の土地へ行ってしまい、働き手がどんどん減っているんだ。」




母さんとリリーは顔を見合わせた。




「……つまり、海水を運ぶ人手が足りず、燃料も確保できないから、塩の生産量が限界に達している……ということね。」




「その通りだ。」




父さんは深く頷いた。




「領主として、これを放置するわけにはいかない。対策を考えなければならない。」




俺は、ここで口を挟んだ。




「そこで風車の導入だよね!」




「そうだ。お前が考えたように、風車を利用すれば、人の手を使わずに海水を汲み上げることができる。これで人手不足はかなり解消されるはずだ。」




「でも、風車なんて簡単に作れるの?」




母さんの疑問に、父さんは少し眉をひそめた。




「それが問題だ。今の領地の技術者では、風車や塩田の改修工事を行うのは難しいだろう。」




「……なら、外部の専門家に頼るしかないわね。」




母さんは少し考え込みながら、ぽつりと呟いた。




そこで、父さんがニヤリと笑った。




「そこで……ドワーフのグラムに協力を仰ごうと思う。」












第二章:ドワーフ・グラムの話!




「ドワーフ?」




俺が首をかしげると、母さんが懐かしそうに微笑んだ。




「そうよ。王都にいる鍛冶師のグラム。 私たちがまだ冒険者だった頃からの付き合いで、あなたの父さんや私の装備は、全部彼が作ったものなのよ。」




「俺の剣も、母さんの剣も全部グラムが作ったものだ。」




父さんが言うと、俺は驚いた。




「そんなすごい鍛冶屋がいるのか!」




「グラムは技術だけじゃなく、建築や機械にも詳しい。彼なら、風車や塩田の設備も作れるだろう。」




「でも、ドワーフを王都から呼ぶって……そんな簡単にできるの?」




俺が尋ねると、母さんが微笑んだ。




「もちろん、ただで来てもらうわけにはいかないわ。給金はしっかり用意しないとね。」




「たしかに……グラムだけでなく、彼の仲間の技術者たちも連れてくるとなれば、相応の報酬を払う必要があるな。」




父さんも頷いた。




「その点は心配いらない。黒砂糖事業で得た資金を活用する。領地の発展に繋がる投資なら、惜しむ理由はない。」




「ふふ、父さんらしいわね。」




母さんが微笑むと、リリーも安心したように頷いた。




「じゃあ次は、王都に手紙を送る準備ですね!」




俺が言うと、母さんが優しく微笑んだ。




「ええ。私からグラムへ手紙を書くわ。 彼とは長い付き合いだから、直接依頼すればきっと応じてくれるはず。」




こうして、王都のドワーフ鍛冶屋・グラムに協力を求めることが決定した。














第三章:冒険者ギルドへの依頼! 燃料確保の第一歩!




夕食を終えた後、父さんは静かに席を立ち、少し考え込むように腕を組んだ。




「さて……明日、ギルドへ行って燃料確保の依頼を出す。」




「燃料の確保……魔の森の木材を使うってこと?」




俺の問いに、父さんは落ち着いた口調で答えた。




「そうだ。魔の森の木を伐採し、塩の村へ安定して供給する。 ただし、適当に木を切ればいいという話ではない。森の周辺部分の木々だけを選び、計画的に伐採する。」




「なるほど。森の奥には入らず、安全な範囲で木を切るってことか。」




「その通りだ。」




母さんが少し心配そうな顔をした。




「でも……魔の森って危ないんじゃない?」




「だからこそ、単独行動は禁止し、必ず複数のチームで行動させる。 さらに、指導役として中堅冒険者のチームを一組同行させる。」




「指導役のチーム?」




俺は少し驚いた。




「ああ、今回の依頼は若手や低ランクの冒険者をメインにするが、中堅の冒険者チームが一組、監督として同行する。」




「なるほど……中堅の冒険者がいることで、安全管理もできるし、若手冒険者の経験にもなるってことか。」




父さんは頷く。




「実際の伐採作業は、若手や低ランクの冒険者が行うが、指導役の冒険者たちは安全確保や、戦闘が発生した際の対応、適切な木の伐採方法などを指導する役割を持つ。」




「確かに、それなら低ランクの冒険者たちにもいい経験になりそうね。」




母さんも納得したように頷いた。




「それに、今回の依頼を通じて、冒険者同士のつながりも強くなる。 若手や低ランクの冒険者が、中堅の冒険者たちと顔を合わせ、指導を受けることで、互いに信頼関係を築き、パーティーを組むきっかけにもなる。」




俺はなるほど、と納得した。




「つまり、ただの伐採依頼じゃなくて、冒険者の育成やつながりを作る場としても機能するわけか。」




「その通りだ。」




父さんは微笑みながら続けた。




「そして、伐採作業中に魔物が出た場合は、その場で討伐する。 ゴブリンやホーンラビットなら、低ランクの冒険者でも十分対処できるし、討伐すれば魔石や肉が手に入る。つまり、木材を確保しながら、討伐報酬も得られるから、冒険者たちの収入も増える。」




「なるほど、魔物を狩りながら木を切ることで、一石二鳥になるってことか。」




「そういうことだ。」




父さんは満足そうに頷いた。




「この依頼がうまく回れば、領地内の経済も活性化し、低ランクの冒険者たちが安定した仕事を得られるようになる。 もちろん、燃料の確保が第一目的だが、それだけじゃない。領地の発展にもつながる大事なプロジェクトだ。」




母さんも感慨深げに頷いた。




「燃料を安定して供給できるようになれば、塩の生産量も増えるし、この村の経済も良くなるわね。」




「うむ。だから、まずはギルドで話をして、適切な規模での依頼を出すつもりだ。」




父さんは明日のギルド訪問の準備を始めた。




こうして、俺たちは燃料確保の第一歩を踏み出したのだった——。






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