第45話
「ぎゃあ!」
耳をつんざくような悲鳴に、思わずぎゅっと目を閉じた。少ししてから、ゆっくりと目を開ける。
なに、今の声。辺りを見渡すと、一人の男子が頭を抱えて屈んでいた。
「なに、やってんの。」
男子はすごく震えていて、たぶん、やばい。そんな人を無視するほど、あたしの心は冷たくない、たぶん。
面倒だと若干思いながら、うずくまる男子に近付いた。
「大丈夫ですか?」
「む、む、む、む・・・・・・ひぃっ!」
「む?なに?なにがそんなに・・・・・・わお。」
男子生徒が指差す方向には、すごくすごく小さい虫がいた。多すぎる足と、気持ち悪い見た目。
「え、ムカデ?赤ちゃんかな?え、ちっさすぎるから、違うかも。」
「た、たすけて!虫と犬とお化けは、昔からだめなんだ!」
「ひぃぃぃぃ。」と漫画のような声を上げる男子に若干呆れながら、近くに落ちていた木の枝で、ムカデを少しつつく。
「うぇ、気持ち悪い。」
立場が逆な気もしなくはないけど。ムカデとか気持ち悪いし。強く勢いよく押してみると、ムカデは吹っ飛んでいった。
「たぶん、もう大丈夫。」
そう言うと、男子生徒は周りをきょろきょろ見渡して、ゆっくりと立ち上がる。
これで年上なら、心の中で馬鹿にしてやろう。そう思いながら、上がった顔を見る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます