第40話

「ごめんね、咲弥のひとりの時間邪魔して。」

「・・・・・・べつに。」

「うん、ならいいや。じゃあね。」

「・・・・・・。」

 何度かチャイムが鳴った後、あたしは屋上を離れた。階段を降りるたび、誰かの声が聞こえてくるたび、スッキリしていた心が闇に覆われていく。

「かっこつけて、何が楽しいんだろうね。」

「協調性ない人、って嫌だわ、ほんと。」

「体育祭とか文化祭の時、本当大変だったわ。」

 あからさまに、あたしの耳に届くようにそう言っているのだろうか。チラッと彼女達を見ると、すぐに口をつぐむ。

「・・・・・・ばかじゃないの。」

 どの世界にも馬鹿な人はいる。そして、あたしはどの世界に行っても、その人達とうまくやれない。そう思うと、ため息が出た。

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