第34話

「・・・・・・行くか。」

 あたしは、ファミリー向けではない、二人で暮らすには十分のマンションに住んでいる。少しぼろいところがあるのが難点。住んでるのは独身の人達ばっかりだから、そこはいいところ。それぞれがそれぞれの暮らしに干渉することがないところがいい。

 高校まで自転車で行くしか方法がないのは、ちょっと嫌だけど。

「レッツゴー!」

 入学祝いでとーさんが買ってくれた白い自転車。車体は大きいのにカゴは小さい。真っ白だから、雨の日に漕いだ時についた汚れも目立つ。あんまり便利じゃないけど、お気に入り。

 マンションの目の前にある大きな坂を上り切ったら、下る時に叫ぶ。この瞬間が、たぶん、何よりもあたしの青春だと思う。

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