第27話
「・・・・・・川田。」
咲弥くんと先生の間に一人の男の子が入る。
ぼくは彼のことを一方的に知っている。学年主席で推薦により生徒会書記になった、ぼくと同い年。
「彼のことは、僕に任せてください。同学年ですし、通じるものがあるかもしれません。」
「・・・・・・そうか、なら頼んだぞ。」
川田くんがニコッと笑えば、先生はそこから離れていく。咲弥くんは、面倒とでも言いたそうにあくびをした。
「ねえ、面倒なこと、僕もしたくないんだよ。」
「・・・・・・は?」
「とりあえず、明日までにピアス外してね。穴は埋めなくてもいいから。それから先生を怒鳴らせないで。止めるの大変なんだからさ。せめて、見つからないところでしてね。」
川田くんはまた口角を上げる。けれど、今の笑顔は誰が見ても偽物だと分かるほど、歪だった。すごい。咲弥くんは「二重人格かよ。」と呟いて、その場から離れていく。
周りで固唾を呑んで見守っていたみんなも、興味がなくなったのか、話を再開する。ひとり残った川田くんは、ぎゅっと拳を握りしめて震わせていた。
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