第26話

「はあ、すみませんね。」

「謝るぐらいなら、さっさと外せ!ため息を吐きたいのはこっちだ!」

 先生の口から飛ぶつばに嫌そうな顔をして、それから面倒くさそうな顔をするぼくの幼馴染。昔は、あんなことしてなかった。いい生徒か、って聞かれたら簡単に頷けないけど、校則を破ったりはしていなかった。

 なにがあったんだろう。

 ぼくは、中学三年生になる前に、おばあちゃんの家に引っ越した。少し遠いこの高校に行くことを決めたのも、咲弥くんが行きたいって言っていたことを覚えていたから。久しぶりに会ったと思えば、咲弥くんはもう変わっていた。

「咲弥くん・・・・・・。」

「おい、傑。パンは?」

 クラスメイトが教室から出てきた。ぼくが全く動いていないのが見えていたのだろうか。

「ごめん、ちょっと行けないかも・・・・・・。」

「あ、生徒指導のやついんのかよ。今日はいいわ。」

 そう言って、彼は教室へ戻って行く。

「どうして、二つ以上はダメなんですか?できたら、そのことを教えてほしいです。原稿用紙百枚に書いて。」

「っ、お前!ふざけ―――」

「先生、そんなに怒ったら、かっこいい顔が台無しですよ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る