第24話
真っ黒でサラサラだった髪は金色になって、傷んでいる。ピアスは両耳に二つずつ。校則違反だ。たしか、ピアスは生徒自身の宗教上の関係とかなんとかで、それぞれの耳に一つずつまでならいいらしい。それでトラブルがあったとか、なかったとか。細かいことは知らないし、興味がない。ぼくらが通う桜川高等学園は、基本的に緩い。けどそれなりの頭は必要だ。咲弥くんは出席日数とか大丈夫なのだろうか。
派手で綺麗な見た目の咲弥くんはよくも悪くも注目を集める。もし、教室にいるのなら、すぐわかると思うんだけど。
「じゃあね、咲弥くん。また今度。」
また、なんて分からない。もう、ぼくらは会おうと決めて会うことはないし、会えない。だからこそ、たまたま、があるとすごく嬉しくなる。
顔をしかめたままの咲弥くんに手を振って、本当のぼくの家に入る。
おばあちゃんには朝、家を出る前に伝えているから、大丈夫。
一か月ぶりに入った我が家はひどく静かで、三人で住んでいた痕跡はあるのに、虚しさと寂しさが大きくなっていく。ぼくは、本当にここで、お父さんとお母さんと一緒に暮らしていたんだろうか。笑い合っていたんだろうか。分からない。時間が経てば経つほど、どれだけ抗っても大切な記憶達は容赦なく消えていく。
「・・・・・・寂しいな。」
友達もいないし、家族もいない。ぼくの人生、すごく寂しい。
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