第2話 神登場

「付き合ってください!」


 ……今、告白されているのが私、小鳥遊たかなし 月華げっかだ。相手はこの学校の中でも1,2を争う程のイケメンで、結構正義感も強いと言われている。確かに、普通の女子なら頷くかもしれない程のイケメンだ。……だけど、


「お断りします。では」


「え?」


 私は、自分が可愛いのは自覚している。というかそういう風に創ったからだ。私は人間の想像可能な範囲で一番可愛いと思える身体になるように創り調整した。故に一般の人々には天使などと言われたりもしている。だけど私は女の子が好きなのだ。付き合っている子もいる。だから、私は男からの告白は受けない。


「月ちゃん、まーた告白されてる!」


 教室に戻った時真っ先に私の所に来て、頬を膨らませているのは、


「緋真ちゃん、なんでわかるの?聞かれてる気配なかったのに……。」


「へへーん!私は月ちゃんの彼女だからね!」


 そう、この子が私が付き合っている女の子、西園寺さいおんじ 緋真ひさなだ。妙に勘がよく、私が他の女の子を想像してたりすると、キスしたり、胸を揉んだりしてくるのだ。……それでよく現実に戻される。別に緋真ちゃんは自分が私の一番だったら他の女の子とも付き合っていいと言ってもらってるんだけどね。


「月ちゃん、今日だっけ?あれ」


「あれ?」


「ほら!月ちゃんが言ってたじゃん!今日あれが発動するって!」


「ああ、あれね。もうすぐ始まるんじゃない?」


「もうすぐっていつ?」


「授業が始まる頃ぐらい?」


「もうすぐじゃん!」


「そう言ってるでしょ?」


 緋真ちゃんって頭はいいんだけど、ちょっと天然だからね。

 そうこう言ってるうちに授業が始まり、


 ドクンッ


 空間が


『やあやあ、皆初めまして。僕はユランという。一応神だ。なんか懐かしい気配もいるけど、説明させてもらうよ。っと、その前に場所を移させてもらうよ。』


 一方的に喋っていた声が消え、目に映る景色が一面真っ白な空間になった。


「ここは!?」

「目に悪い場所だな。」

「きゃあ!」


 場所が変わり慌てる声を、


『うるさいよ』


 一声で黙らせた。


『さて、静かになったところで、説明といこうか。』

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