第8話
お風呂から出た後ドライヤーが一つしかないので先に真季に上がってもらい私は一人ゆっくり寂しく湯船で真季が終わるのを待っていた。
髪が長いのとケアが諸々あるので時間が掛かるからお先にどうぞの精神だったんだけど、真季が終わって私がお布団から上がったら後のことは全部真季がやってくれた。
普段めんどくさいなって思いながらやってたからやってくれて感謝の気持ち。
真季にも「こんなにちゃんとやってて偉いねぇ」って褒められたしね、私偉いぞ。
そんなこんなで時刻は22時。
二人で熱った身体を冷ますべく廊下の床で座ってのんびり庭を眺めてる。
夜風と廊下のひんやりした床が火照った身体には丁度良いね。
虫の鳴いてる音が日本人と外国人では脳で感じてる部分が違うらしく、日本人は言語として、外国人は雑音として認識しているらしいなんて事をふと思いだした。
虫さんのオーケストラをBGMにしながらのんびりすることが外国人には出来ないとなるとそれは悲しい気がする。
ぼーっとしてたらちょっと冷えてきたかも。
「ちょっと冷えてきたね」
「そうだね」
こうしてのんびり二人で過ごすのも少し大人になった感じがして好き。
昔は二人で止まってる時間の方が少なかったと思うけど、高校生になった今は二人ともおしゃべりしてのんびりしてる気がする。
隣でちょこんと座ってる真季をあたかも髪の毛触ってますよーって感じをだしつつ上目で見る。
「あ」
バレないように見るつもりが真季と目があってしまった。
特に悪い訳じゃないのに後ろめいた気持ちで胸がいっぱいになる。
「んー、なぁに」
凛ちゃんと呼ぶ真季の唇に目を固定されたように視線を逸らすことが出来なかった。
普段から呼ばれてるはずなのに。
普段と違う自分の身体。
呼吸ちゃんと出来るのかもイマイチ分からない。
私なんかお風呂からちょっと変だ。
多分今からやる事は普段の私なら考えもしない事。
拒否されちゃったらと思うと怖いけどそれ以外に真季に触れたい。
真季の頬に手を伸ばす。
「…凛…ちゃん」
真季が少し困惑してるかも。
いきなり自分の頬に手を添えられたら何だろって思うか、ごめんね。
頬を少し撫でてそのまま親指の腹で真季の唇をゆっくり左から右になぞる。
モチモチしてて気持ち良い。
唇をちょっと押したりした後、そのまま親指を口の中にゆっくり入れる。
「ん…」
親指を出迎えるように少し口を開けて舌でチロチロ舐めてくれてる。
可愛い。
今度は親指を歯に当たらないようにゆっくり抜いて人差し指と中指二本同時にいれる。
「…う」
苦しいかな。
限界まで奥に二本の指をいれる。
涙目で今にでも嗚咽しそうなのを我慢して指を必死に舐めてる真季。
あぁダメかもしれない。
私の中で何かが壊れた気がした。
「真季、まき」
なんて最悪なタイミングで気づいたんだろう。
幼馴染の口に指入れて苦しんでる姿を見て私は好きを自覚した。
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