第7話
私は今日初めて人に料理を振舞うというものをします。
それも私の一番好きな人に。
もう少し練習しとけば良かったなんて思ってもイベントは後ろにはいかず腹を括り冷蔵庫まで駆け寄る。
どうやら凛ちゃんの両親は気を利かせてくれたのか自宅には今日戻らないらしいので晩御飯を私が担当することになった。
凛ちゃんと一緒にいるからカッコつけてああは言ったものの自分のために作った料理なんてたかが知れてる物しか作ってないし数回くらい。
でも此処でやれば凛ちゃんは喜んでくれるはずだから意地でも成功させる。
冷蔵庫の中には大体なんでも作れそうな食材があった。
流石凛ちゃんのお母さん。
私も見習わないとダメだね。
食材を吟味して肉じゃが、付け合わせにサラダ、味噌汁くらいなら作れそうだから作る。
凛ちゃんに作るから待っててねって言ったらお手伝いをしてくれるらしく凛ちゃんは良い子。
凛ちゃんが真剣な顔付きで切ったりしているのを私は他の作業をしながら見守った。
綺麗な横顔に見惚れながらもなんとか完成。
食器に盛り付けして食卓に運んで二人一緒に頂きます。
これが私の両親ならそのまま私は適当に食べ進めるけど今日は大好きな凛ちゃん。
不安でまず凛ちゃんが一口目食べるまでは自分のは食べないというか気になって食べれなかった。
ニコニコで食べ進める凛ちゃんを見てホッとした私はやっと箸が動き始める。
凛ちゃんが毎日でも食べれるって言ってくれた時は嬉しかったし、毎日私も作ってあげたいし、一緒の食卓を囲みたいと思ったけどまだそれは言えない。
あの時に会ってからお話ししたり会えない時は通話したりして昔みたいな関係にはなりつつあるけど私の好きと凛ちゃんの好きは多分まだ違うから。
好き同士じゃなくても隣にいれるだけ幸せなんて嫌だ。
私は欲張りだからちゃんと好き同士になりたいしキスだって、その先だって凛ちゃんとしたい。
凛ちゃん以外とは考えたくないし未来永劫ない。
だから今はこの気持ちは表にはなるべく出さないで我慢。
その時まで。
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