第6話
私は洗い物が終わってさっぱりしたくて洗面台の所まで来た。
真季がルンルンでお風呂に入ってる…
さてはこれはまだ時間が掛かるやつですな。
なら私もお邪魔するしかないね。
「真季〜?、私も入っていい?」
「ええ、凛ちゃん!?、もうちょっとしたら洗い終わるから待っててー」
もう少しで終わるのね、なるほどね。
「おっけー。じゃあお邪魔しまーす」
昔はよく一緒に入ってたからなんて事ないって思ってたけどどうやらそうじゃ無かった。
真季は私の知ってる真季だけどじゃないみたい。
四年間で真季はなんでも出来るようになったし身体も昔は同じくらいの身長だったのに今じゃ私は真季と二人で立ってる時は見上げて話さないといけないように色々成長していた。
「凛ちゃん…そんなに見られると流石に恥ずかしい…かなぁって」
「あはは、ごめん」
私は頬を指で掻いて笑って誤魔化した。
誤魔化せたか分からないけど。
つい見惚れてなんて。
頭がクラクラするし心臓が煩くて呼吸も上手く出来てるのか自分じゃ分かんなくて。
「凛ちゃん、身体洗ったから私湯船に浸かってるね」
「お先に失礼します」って小声で言って湯船に浸かる真季を横目に私はシャワーの権利を得て頭を洗い始める。
頭を洗ってる時に目を瞑っても脳内再生されるのはさっきの真季の身体で。
横にいるのも真季で私に逃げ場なんてなかった。
まぁ来たのも私なんだけど。
なんとか頭を洗ってこんな貧相な身体を真季に見せてスミマセンの気持ちで身体を洗って普段ならこのまま出て髪乾かして扇風機コースだけど真季が湯船からこっちをじっと見てるし一緒に入って欲しいのかな。
他人からの視線って意外と分かるんだね、不思議。
「凛ちゃん一緒に入る?」
「じゃあ入ろうかな、髪邪魔じゃない?」
「平気だよ、おいで」
そう言って両手を広げて待ってる真季。
私は立ってるから真季の身体が全部見える訳で。
緊張しながらも一緒の湯船に浸かる。
お湯がバザーって勢いよく流れる水の音がやけに鮮明に聞こえた気がする。
「昔は一緒に入ったよね、もっと広々してたと思うけど今は流石に二人で入ると狭いね」
狭いから真季が後ろから抱きしめてるような感じで今の私は収まってる。
私は小さいからこの位置がしっくりくるし包み込まれる感じが安心するから好き。
「そうだね」
でも真季と近くに入れるからこの狭さもいいなんて思ったりしてる。
後ろに真季がいるからどんな表情をしてるか気になって真季に体重を預ける感じで覗いてみる。
「えへへ、なーに?」
「真季が後ろで顔見れないから…」
「凛ちゃん可愛い」
真季が後ろからぎゅーって抱きしめてくれる。
心も身体もあったかくなって私も真季の両腕を自分の方にぎゅっと抱き寄せた。
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