第5話


 真季がお家にきて数時間。

 私たちはお話しし疲れてご飯どうしようってことで両親に連絡したらなんか急遽両親が帰って来なくなり明日の夕方くらいに帰ってくるそうで、真季と二人っきりで今晩は過ごすことになってしまった。

 それはいい、むしろ嬉しい、たなぼただね。

 問題はご飯。

 私は全く料理を作ったことがない。

 お母さんの料理は美味しいのでいつも食べる側に回ってしまう。

 だからと言ってお客さんの真季にやってもらうのも気が引けるし…

 キッチンに行って冷蔵庫の中身確認しても作り置きっぽいのもないしな…

 そもそも真季も作れるのか分からないしね。

 私があれこれ考えてると真季が急に「凛ちゃんは表情沢山変わって面白いね」っていじめてきた。

 私だって今真剣に今日の事考えてるんだぞ。

 だけどいい案が思い浮かばず…

 

「真季ってご飯作れる?、私料理はてんでダメで…」


「あはは、凛ちゃん料理出来ないんだ〜、良いお嫁さんになれないよ?」


「じゃあ将来は稼ぐ!」


 私は出来ないなら出来ないなりにカバーしていく方針なのだ。


「それはいいとして真季は作れるの?」


「んー大体なんでも作れると思う。小さい時からお手伝いしてたし都内にいた時にはもう一人暮らしする予定があったから練習しとこうって思って出来るようにしてたかな」


「おぉ流石真季だね、なんでも出来ちゃう」


「真季さんにお任せあれだよ。じゃあちょっと冷蔵庫いい?」


「うん。なんでもあるやつ使っていいらしいよ」


 連絡する時に一応聞いといた。


「ふむふむ、今日の晩御飯は肉じゃがにしようかな」


「肉じゃが!!美味しいよね!」


 お肉なら大体なんでも好きだけど肉じゃがとすき焼きは特に好き。

 甘い味付け大好き。


「じゃあちょっと作るから凛ちゃんは適当に時間潰しててね、1時間くらいで食べれると思う」


「分かった!、でも特にやる事ないし何か手伝える事ある?」


「じゃあ二人で作ろうか、そっちの方が美味しそだしね」


 真季にあれこれ教わりながら予定の倍くらいかかっちゃったけど二人の晩御飯が完成した。

 メインの肉じゃがにご飯、味噌汁、サラダとなかなか上手く出来た感じがする。


「凛ちゃん頑張ったね、料理出来ないって言ってたのにちゃんと出来たねえ」


「私だってやれる時はやるさ!」


 真季は優しいからああ言ってるけど真季がほぼやったなんて言えない。

 肉切ってまぜまぜしたくらいだけどなんか謎の達成感があった。

 これだったら毎日やってみても良いかもしれない。


「じゃあ食べよう、お腹減っちゃった」


「「頂きます」」


 じゃあメインの肉じゃがから…

 うまうま。

 これなら毎日食べれそう。


「真季これ美味しい!、味付け最高だよ!、1番好きな味かも!」


「大袈裟だなぁ。でも喜んでくれるたなら良かった」


「ホントだって!、毎日でも食べれそう」


 いやマジで食べれそう。


「良かった〜、また作るね」


 真季がちょっと安堵した顔してるから不安だったのかな?

 私が真季の作った物食べない訳ないのにね。

 真季は心配症だなー。

 私は作って貰ったということで洗い物をして、その間真季にはお風呂に入って貰った。


「ふぅ、終わり〜。やっぱ慣れない事はめんどいなぁ」


 こういう時に母の偉大さを思い知らせられる。

 今度何かお菓子でも買ってきてあげよう。

 

「丁度終わったしわたしもさっぱりしたいな…」


 よしお風呂に突撃だ!

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