第2話
真季んちにお邪魔した時、どうやら私は手持ち無沙汰や恥ずかしくて目を逸らしたりすると携帯を無意識のうちに見てるらしく、「今真季さんが目の前にいるのに〜。携帯さんはそんなに面白いかな?」とお叱りを受けてしまった。
次会う時は気をつけないと。
でもそのお陰?で真季のお家を出る時に連絡先を教えて貰えた。
私は真季と会うと照れたりしてしまうがメッセージや電話だと案外思った事をちゃんと伝えられるらしい。
毎日夜に電話するのが日課になってた。
『ねぇねぇ凛ちゃん』
「んー?」
『空見てる?、星が綺麗だね。こっちに来てからよく見てるんだ〜』
「歩いてる時とかたまに見るけど…そんな見ない、かな」
『だよね、凛ちゃんからしたらいつも通りの景色だもんね』
私は真季に言われ廊下に出て髪を指でくるくるしながら空を見渡す。
数数の星が自分を主張していて、自分を見つけ出して欲しいみたいだ。
でも私はそれがどれだか分からない。
分からないけど、真季と今同じものを見てるってそれだけでも良いと思った。
『私一回ここを離れた時にさ、一番ビックリしたのが夜空なんだよ』
「え?」
これって見る場所で違うの?
たまに見るとなんかいつもよりも多いかもとかあるけど…
『私が住んでた所は今私が住んでるマンションよりも大きな建物が沢山あってね、見渡す限りガラスとコンクリートなの』
「都内ってそんなに建物あるんだ…」
『そう。だから夜とかも仕事してる人がいるからマンションの光かなんかで夜空全然綺麗じゃなかったんだ。私が見たいのはマンションの輝きじゃなくてもっと昔の遠くの光、だからこっちに戻ったんだ』
真季はそんなにこっちの夜空が好きなのかな?
私全然分からないけど大丈夫かな…
「じゃあ真季は戻ってこれて良かったね」
『うん!』
今の返事の時の顔が見れなくて残念だなぁ。
今の真季は星なんかに、負けないくらいいい笑顔だったと思う。
やっぱり便利は好きだけど好きじゃない。
真季に会いたいな。
会って今の顔見て笑い合いたいし声だけじゃ伝えきれてない気がする。
「ねぇ真季、明日ひま?」
『明日?、暇だよ〜』
「じゃあさ、明日お昼にうちで遊ぼ」
『凛ちゃんからのお誘いだ〜。楽しみにしとくね』
「うん、私も。じゃあそろそろ切るね」
『はあい、おやすみ凛ちゃん』
「おやすみ真季」
明日は素敵な日だといいな。
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