第10話 V_Project

「……嘘だろ」

 画面に表示された名前を見て、俺は言葉を失った。

 『V_Project_Administrator: 神崎 悠人(かんざき ゆうと)』

 神崎 悠人——俺たちの担任教師。

「……先生が?」

 瑠璃が震える声で呟いた。

「まさか……でも、沙耶の死に関係してるってことか?」

「まだ断定はできない。でも、神崎がV_Projectの管理者だったのは確かだ」

「じゃあ、今もミラ・ルミナの配信を続けてるのは……!」

「神崎か、もしくは……V_ProjectのAIそのものだ」

 俺は拳を握り締めた。

「確かめるしかない」


 /


 翌日、俺たちは学校に向かった。

 そして、放課後——神崎の職員室へ。

「先生、話があります」

 神崎は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに微笑んだ。

「どうしたんだ、こんな時間に?」

「単刀直入に聞きます。V_Projectの管理者は、先生ですよね?」

 神崎の表情が一瞬だけ固まった。

 だが、すぐに小さく笑う。

「……何のことだ?」

「とぼけないでください」

 瑠璃が詰め寄る。

「私たちは、先生の名前がV_Projectに登録されているのを見たんです」

「それに、氷室沙耶の死にも関係があるはず」

 神崎は深く息をつき、目を細めた。

「……なるほど。君たち、思ったよりも賢いな」

 その瞬間——

 ドアがロックされた音がした。

「——!?」

 俺たちは身構える。

 神崎は静かに立ち上がった。

「もう遅い。君たちは“知りすぎた”んだ」


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