第39話

気持ち悪い上に長く続く透の茶番に、俺はイライラして叫ぶ。




わかってる、これが透の計算だって。


うそ泣きに鳥肌が立つようなクサイ台詞並べて、俺の機嫌を悪くして。


そして結局俺は折れて、




「さっさと済ませるから早く入れ!これがマジで最後だからな!分かったな!」




なんて、前にも言った言葉を再び放つハメになるんだ。




透はその言葉にうそ泣きをピタリと止め、にっこりと笑った。


黒髪に切れ長の目を持つ、冷たい顔をしたイケメンが、本当に嬉しそうに笑うなんて。



そんな顔を向けるから、俺も最後には「まあ、前髪だけだしな……」と思ってしまうんだ。

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