第35話

子供とは些細なことで感動できるものだ。




俺は暇さえあれば透の髪を弄ってたし、誕生日にはプレゼントに「おれととおるのかみを、こうかんして」と言うような、馬鹿なガキだった。




俺もあんな髪になりたい。


そう思い、色々勉強し始め、それがどんな風に変わったかは知らないが、自室にシャンプー台を置くほどになった。


だがカットやそういうのは、正直に言うが専門外だ。


俺は技術的というより、ただ髪の毛の勉強しただけで、切り方はそんなに知らない。



自分の髪の毛は、本当はダメだと知りながらも時々カットしてるぐらいで。





だから嫌なんだ。人の髪の毛を切るのは。


俺はそこを勉強してないし練習もしていない。

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