第33話

俺から目を逸らさずそう言った透。


俺は思わず怒鳴りそうになるのをぐっと堪え、比較的優しい声で言う。




「俺は趣味でやってるんだ。仕事でもないし義務でもない。だから諦めろ、透」


「嫌だ」


「嫌だ、じゃねぇだろ?俺は人の髪を切るのが苦手なんだ」


「そんなの知らない!切って!」


「切って!じゃねぇんだよ、馬鹿かてめぇ!!切らねぇって言ってんだろ!!」





優しい声を捨て、ついに怒鳴った俺。


まったく!同い年でしかもリーダーなのに、なんでこのイケメンはこんなにも子供っぽくて我が儘なんだ!


何が悲しくて朝からこんなに怒らなきゃいけねぇんだよ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る