第32話
……非常に面倒くさい。
こんな美形が、男である俺でも一瞬見惚れてしまいそうになるほど綺麗な顔をしているコイツが、俺を真っ直ぐに見つめて切ない声でお願いしている。
少しでも気を抜けば「いいよ」と言ってしまいそうになる。
だが俺だってコイツと何年も付き合ってきたんだ。
もうその美貌でコロッと流されたりしないし、甘やかすつもりもない。
俺は腕組みをすると、冷たい目で透を見据えた。
「あのな、もう何回も言ってるけど俺は美容師じゃねぇんだ。切るなら自分で切れ」
「……自分で切ったら大変なことになる」
「なら外で切ってこいよ」
「怜のほうが全然上手だし」
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