第26話

じっくりと時間をかけて味わった俺はその後も部屋に戻らず、娯楽空間でひとりダーツを楽しむ。



元々ゲームが好きな俺は、こうやってひとりでもゆっくり遊べるのだ。


疲れれば少し休むし、そこまで体力を奪われるゲームでもない。




途中、怜が起床してまた綾乃と口喧嘩をする。


口が悪い怜に、純粋な綾乃はよく反応するから、いつの間にか白熱した言い争いになっている場合が多い。


最初こそ止めに入っていたが、近頃はすっかり諦めてしまった。




朝食を食べ終わった怜は、ひとりで遊んでいる俺を見て、




「部屋に戻ればいいのに……そんなに側にいたいのかよ」




と、呟いたような気がした。

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